最終更新:2025/9/1 こちらは「有償販売のみ」の脚本です。 規約違反多数の為、2025年9月1日に無償版から移転しています。 サイト上では途中まで閲覧する事が出来ます。 購入は
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【dragging death party】 (どらっきんぐですぱーてぃー) 男性5、女性3。 銃声は手を打つなどでご対応下さい。 【ジョナス・アレンビー】 29歳男性、探偵社諜報員。 【ルイス・アンダーヒル】 25歳男性、新聞配り。 【テレンス・シートン】 35歳男性。警察官。 【ゴードン・フローリー】 25歳男性。靴屋。 【ガイ・ホーリーランド】 29歳男性。煙草屋。 【セシル・スウィーニー】 23歳女性。花屋。 【エミリー・シャーロット】 33歳女性。オペラ歌手。 【ヴィオラ・マーシュ】 34歳女性。娼婦。 ※部屋のドアを背に、円状のテーブルに時計回りで以下のように着席しています。 セシル(ドアに最も近い位置)→ガイ→ゴードン→ジョナス→テレンス→ヴィオラ→エミリー(→セシル) 【配役表】 ジョナス・アレンビー : ルイス・アンダーヒル : テレンス・シートン : ゴードン・フローリー : ガイ・ホーリーランド : セシル・スウィーニー : エミリー・シャーロット: ヴィオラ・マーシュ : ======================================= <アパートの一室。全員で円卓に掛けている。> 001ジョナス:皆さん、荷物はお足元にどうぞ。 ──ボロアパートの一室とはいえ、円卓に男女が計七人。 いやあ、大変壮観ですね。 本日は僕の呼び掛けにご賛同下さり、ありがとうございます。 002ヴィオラ:あんな脅しに、ご賛同も何もないわよ! 003ゴードン:あの、店があるから、手短にしてもらえないかな? 004セシル :私もよ。 あまり時間が掛かったら困るわ。 005ジョナス:まあまあ。 僕もそれ程時間を掛けようとは思っておりません。 まずはー……そうですね。 僕から自己紹介、しましょうか。 ジョナス・アレンビー。 しがないただのごく潰しでございます。 歳は二十九。 結婚には興味がないのですが、都合で優秀な助手は欲しいなと常々── 006テレンス:テレンス・シートン。 探偵だ。 007ジョナス:おや? 008テレンス:自己紹介をするんじゃなかったのか? 009ジョナス:まあ、はい、そうなんですけれども。 ……ううん、まあいいか。 どうぞ、自己紹介の続きを。 010エミリー:あなた。 皆様の素性も知らずに、こうして人を集めたの? 011ジョナス:そうでございますよ。 012テレンス:そこの自称ごく潰しは、誰ぞ口を挟まないと永遠と喋りそうだったからな。 013ジョナス:あはは。 ちなみにお歳は? 014テレンス:三十五。 015ジョナス:成程。 そうしましたら……レディ、お名前と職業を伺っても? 016セシル :……セシル・スウィーニー。 花屋で働いてるわ、二十三歳。 017ジョナス:おや年齢まで、ありがとうございます。 お手持ちの物は……ああ、 018セシル :花籠よ。 持っていたら駄目? 019ジョナス:構いませんよ。 こうして初対面の人々と過ごすのは緊張なさるでしょう。 お隣のハンサムは? 020ガイ :俺の番か? ガイ・ホーリーランド。 歳は二十九、アンタと同い年だ。 021ジョナス:おお、それは素敵な偶然。 022ガイ :だろ? ゴールストン・ストリートの折れ目で煙草屋をやってる。 廃れちゃいるんだが、まあ、物は良いぞ! よろしくな! <隣に座るセシルへ> 嬢ちゃんは煙草にゃ縁はなさそうだけどな! 023セシル :ど、……どうも……。 024ガイ :で、で! 俺に殺人容疑が掛かってるってどういう事だ!? 全く身に覚えがねえんだよ、何がどうなってんだ!? このねーちゃんの剣幕を見るに全員そうなのか!? 最近流行りのジャックなんたらと── 025ジョナス:ガイ、新たな友人。 メインディッシュは後で。 026ガイ :ん? あ、そうか! 悪いな、まだみんな自己紹介が済んでなかったな! ゴードン? 次はお前でどうだ。 027ゴードン:俺!? ……ええと……。 028ガイ :顔色がえらく悪いが、大丈夫か? 029ゴードン:ああ、大丈夫、ありがとう……。 ゴードン・フローリー。 二十五歳。 ガイさんと同じで、ゴールストン・ストリートで靴屋をやってる。 030ガイ :俺の顔馴染み! 031ジョナス:そうでしたか。 お忙しい中時間を頂いてしまって、申し訳ありませんね。 032ゴードン:いえいえ、……その、俺も、気になるし……。 033ジョナス:それじゃあ。 ミセス、……あー。 お二人ともミス、でしたね。 034ヴィオラ:どっちだっていいわよ! 私はヴィオラ、ヴィオラ・マーシュ! これでいい!? 035ジョナス:ご職業は? 036ヴィオラ:……アンタねえ! 037エミリー:その、職業。 言わないといけないの? 私もあまり言いたくないのだけど。 038ジョナス:ふむ。 女性に秘密は付き物、という事でいきましょうか。 お名前は頂戴しても? 039エミリー:エミリー・シャーロット。 040ゴードン:エミリーシャーロットって、ハー・マジョスティーズの!? 041エミリー:あら、ご存知なの。 042ゴードン:親友がその、……あなたのファン、で。 043エミリー:ご存知の方がいらっしゃるなら、隠してもしょうがないわね。 そう、オペラ歌手をしているの。 お友達にどうもありがとうって伝えて下さる? 044ジョナス:残念ながら、そうはいかない。 045エミリー:なんで? 046ジョナス:皆様にお集まり頂いたのは他でもない。 彼、ゴードンの親友──ルイス・アンダーヒルが突如行方不明となった、その件です。 <静まり返る。> 047ジョナス:──お心当たり、ございますかね? <ルイスとジョナスの回想。> 048ルイス :こんにちはジョナス! 今日も新聞は入用かい? 049ジョナス:ああ、ありがとうルイス。 いつも本当に助かっていますよ。 050ルイス :こちらこそ、どーも! 051ジョナス:今日はコーヒーを飲んでいきますか? それとも、チェスの続きにしましょうか? 052ルイス :ごめんな、集金の途中でさ。 053ジョナス:ふむ。 なのにわざわざ、我が家に? 054ルイス :常連客が他に取られるのは困るからね。 また明日、チェスの続きをしに来るよ! 055ジョナス:ああ、わざわざありがとうございます。 明日は両方用意しておきましょう。 056ルイス :やった! 俺、キミの淹れるコーヒーが好きなんだよな。 勿論キミとのチェスも! 明日また、この時間に顔を見せるから! <回想ここまで。> 057ジョナス:これが、ルイス──新聞配りの気の良い青年と僕の、最後の会話でございました。 それから僕の手元に新聞は届かず。 そして僕は彼の職場とは懇意でして。 彼の上司に当たる人物から、彼が出勤していない、どういう訳か連絡もつかない、 行方を探して欲しいと頼まれた次第。 まず彼の部屋を訪ねました。 そこには、血溜りが。 恐らく殺害されたのでしょう、それだけの量が。 058ガイ :……マジか。 059ジョナス:マジです。 もうそろそろおわかりでしょう? あなた方は、ルイス・アンダーヒルの空白の二日間を知っているだろうと。 僕の調査で見立てた六人なんです。 060ガイ :あ、ああ。 確かにその、二日前に会っちゃいるが。 ルイス、殺されたのか……? 061セシル :私も二日前に会ったけど……本当にそんな事が? 何かの間違いじゃなくて? 062ジョナス:僕も間違いだと思いたくて、こうして皆様をお呼び立てした次第です。 063ヴィオラ:ねえ。 アンタ私にさあ、殺人の容疑が掛かってるって言わなかった? 064ガイ :俺も俺も! だから俺は一体何に巻き込まれたんだって、正直、好奇心でココに来たんだけど。 065ジョナス:申し訳ない、方便を使いました。 そうでも言わないと皆さんにお話が伺えないと思って。 066ヴィオラ:アンタほんといい加減にしなさいよ!? <立ち上がる> 067ジョナス:特に。 あなたのような売れっ子が、僕のような青二才にお時間を割いて頂けるとは到底思えなくて。 068ヴィオラ:……ッ! <着席する> 069テレンス:……まあ。 本当に殺人を疑っていれば。 無関係だろう人間まで、こうして一部屋に集めたりしないか。 070ジョナス:どうでしょうね。 071エミリー:あの、よろしいかしら。 072ジョナス:はい。 どうなさいました、エミリーさん? 073エミリー:……申し訳ないけれど。 私その、ルイスさん? とは面識すらないわ。 074ゴードン:えっ。 そ、そんな筈ない! 075エミリー:え? 076ゴードン:あなたに花をもらったと、あの時……。 <ルイスとゴードンの回想。> 077ルイス :ゴードン! なあ聞いてくれよ! 078ゴードン:うわびっくりした! ああ、ルイスかあ。 頼むからさあ、仕事場に入ってくる時はノックはしてくれよ。 お前毎回毎回心臓に悪いんだよ。 079ルイス :悪かったよ! 次から気を付ける! 080ゴードン:そればっか……。 で? 081ルイス :花! 花もらったんだよ! エミリー・シャーロットから! 082ゴードン:あーなんだっけ、歌手? 083ルイス :そう歌手! なあ、夢みたいだろ!? ハー・マジョスティーズの花形! 実際に歌を聞く前に花もらえるなんて! 夢みたいだろ!? 084ゴードン:……んー、んー? なんでまた花を? 085ルイス :劇場からの去り際さ、彼女いつも、出待ちのファンに花を持たせてくれるんだ! 俺はしがない新聞配り、彼女はあの劇場の歌手、わかるだろ!? 通い詰めて通い詰めてさ、やっと! この一輪よ! 086ゴードン:へええ。 なんていうかその、お客さん思いなんだな。 俺、そういうのよくわかんないけど。 087ルイス :だろ、だろ!? だからきっと、彼女の歌は素晴らしいんだ。 間違いない! ああ、俺、明日からもずっとずっと頑張れそうだ。 いつか彼女の歌を聞く為に! 彼女は俺の希望だ、いつか観劇が叶う給料が手に入った時、その時の為に俺は働くんだ! そうだ、また靴が右だけ擦り減ってきたんだよ。 いつもの調子で直してもらえるか? やっぱお前に直してもらうのが、一番具合が良いんだよな。 しっくりくる。 流石、俺の事よくわかってる。 <回想ここまで。> 088ゴードン:……この話を聞いたのが、その、三日前の夕方。 俺もそれが、ルイスとの最後の会話だ。 089エミリー:そうだったの。 確かに私、劇場を出る時に私のファンだという方がいらっしゃれば。 出来うる限り、お礼の花をお渡ししてお話しているわ。 090ゴードン:じゃあ! 091エミリー:でもごめんなさいね。 何人も、いらっしゃるから。 そういうお客さんって。 092ゴードン:……あ……。 093エミリー:お名前はお聞きしていないのよ。 ……まさか、こんな事になってからお名前を知るだなんて。 094ゴードン:……そ、っか、……ごめんなさい。 095エミリー:こちらこそごめんなさいね。 ルイス・アンダーヒル、お名前は覚えたわ。 ゴードンさん、彼はどういう男性? 見た目をお聞きすれば思い出せるかも。 096ジョナス:背の高い若者だ。 背が高くてそう──左脚を悪くしている。 097テレンス:……それは、本当か。 098ジョナス:ええ。 そうですよね、ゴードン? 099ゴードン:あ、はい……。 俺と彼、幼馴染で。 小さい頃の怪我の後遺症で、左脚を引きずるように歩く。 100テレンス:そうか。 ジョナス・アレンビー、他に嘘を吐いている事があれば今、言った方が賢明だ。 101ジョナス:それはどうして? 102テレンス:心象の問題だ。 お前は全員の素性を粗方知った上で、ここに集めているな? 103ジョナス:先程、僕の調査で見立てた六人だと言いましたよね? 104テレンス:そちらは嘘ではないと。 105ジョナス:ええ。 106テレンス:そうなんだろうな。 ……わかった、こちらから明かそう。 ヴィオラ、そしてミス・シャーロット。 申し訳ない。 107ヴィオラ:……、アンタ、ねえっ、私の事も話すつもり!? 108エミリー:なに? ねえ、何? どうなさったの? 109テレンス:先程俺は探偵だと、そう言ったな。 110ガイ :ああ、うん、随分顔がおっかねえ探偵だなーって思った。 111テレンス:申し訳ない。 探偵だというのは嘘なんだ。 俺は警察だ。 ロンドン警察、テレンス・シートン。 この通り警察手帳もある。 <テレンスとヴィオラの回想。> 112ヴィオラ:ストーカー? 113テレンス:ああ。 ハー・マジョスティーズの売れっ子歌手の私物が盗まれていると。 114ヴィオラ:ふうん。 警察ってそんなみみっちい捜査もすんの。 115テレンス:<苦笑する> 調査は調査だ。 何か、知らないか。 116ヴィオラ:知らないわ。 こっちの界隈じゃ今、アタシらみたいな女を狙った連続殺人犯の噂で持ち切り。 117テレンス:……連続殺人犯? 118ヴィオラ:ジャックザリッパー、なんて洒落た名前が付いててさあ。 なあに、折角昇進したっていうのに。 聞いてないの。 119テレンス:ああ、……いやな、その歌手ってのがお偉いさんの気に入りで。 120ヴィオラ:<笑う> そ。 アタシらみたいな娼婦より、可愛いカナリアがぶら下げたバッグが大事って訳。 121テレンス:俺はそうは思わないけどな。 122ヴィオラ:でしょうね。 テリー、アンタ本当にツイてないわね。 123テレンス:ようやっとのし上がっても、結局は上司の機嫌取り。 笑ってくれていいぞ。 124ヴィオラ:にしたって掃溜めみたいなココからのし上がったにしちゃ、上出来。 125テレンス:どうだか。 何か情報が入ればまた俺に。 126ヴィオラ:正規の値段でいいの? 127テレンス:幼馴染価格。 128ヴィオラ:その幼馴染、トンデモ野郎に今日にでも殺されるんじゃないかって怯えているみたいよ? 129テレンス:わかってる。 そっちもどうにか、独自で調査を始めるさ。 130ヴィオラ:交渉成立。 ストーカー野郎については? 見た目の情報とか、何かないの? 131テレンス:背の高いやせ型、若い男。 左脚を引きずって逃げていくのを見たと。 マジョスティーズの従業員に聞いている。 <回想ここまで。> 132テレンス:……と、いう訳で。 俺とヴィオラは生まれた家が隣同士の腐れ縁。 俺は警察、そっちは情報屋兼、 133ヴィオラ:<テレンスに掴み掛かる> 娼婦だって、盛大にバラしてくれてどうも? 134ガイ :あーあーあー、落ち着いて! 135ヴィオラ:これが落ち着いていられんの!? そうよ、股開いて裏社会の情報売り歩いてやっと生活してんのよ! そこのごく潰しとやらに、情報が欲しいって脅されてココにいるって訳! どーぞよろしく! 136ジョナス:人聞きの悪い。 きっとそちらにも良い情報が入りますよとお話しましたでしょ。 137ガイ :まあまあ! 成程なぁって思ったよ! 138ヴィオラ:ああ!? 139ガイ :さっきジョナスが、アンタを売れっ子って言ってたじゃん? だからそんな綺麗な服着てたんだな、そっちの姉さんがオペラ歌手なら、 アンタは女優かなって思ってたんだよ、俺! 140ヴィオラ:……。 141テレンス:ヴ、ヴィー。 そろそろ放さないか……。 142ヴィオラ:……ふん。 <手を放す> 143ゴードン:ストーカーって。 しかも、それがその……ルイスだって 144エミリー:<大声で> ねえ、あなたがストーカーの件を担当しているのね!? こんな所で油を売ってないで、とっとと犯人を捕まえてよ! もう相談してから一月(ひとつき)経ってんのよ!? ルイス、でしたっけ? 私から花を!? 冗談じゃないわ、ちょっとでも同情した私が馬鹿だった! 145ゴードン:は…… 146ガイ :おお、怖。 147ヴィオラ:あら。 お手持ちのバッグくらい、アンタ程のカナリアならいくらでも買い換えられるでしょうに。 それともなあに、無くしたのは気に入ったお財布からのプレゼント? 羨ましい事ね! 148エミリー:……随分な言い草ね。 売れっ子、ふぅん。 こんな粗雑な口でも喜ぶ男っているのね? 知らなかったわ、オペラでは見掛けないもの。 ココでにゃあにゃあ鳴いても客は取れなくってよ、暇を潰していてよろしいの? 149ガイ :チョッ、 150ヴィオラ:まあ! 歌手って随分面白い冗談が言えるのね! てっきりお歌しか歌えないモンだと思っていたわ。 151エミリー:私も驚いたわ。 警察が端女(はしため)風情を頼って調査に臨(のぞ)んでいるだなんて! シートンさん、ロンドン警察はどこにクレームを入れたらいいのかしら。 152ガイ :はいはいはいおねーさん達! 喧嘩はそこまで! 仲良くしよ、な!? 153ジョナス:エミリーさん、ストーカーの被害にあっているというのは、確かで? 154エミリー:……ええ、そうよ。 劇場に持ち込んだ物、手鏡とか化粧道具だとか、ハンカチとか。 そういう小さい物が、気付いたら私の楽屋から無くなって、……代わりに花が、置いてあって。 155セシル :うわ……。 盗んだ物の代わりに花を、って? 156エミリー:そうなんじゃない? 花一輪で代わりになるような代物じゃないっていうのに。 157セシル :それは、その。 あなたは気の毒だと思うけど。 でも花がそんな物だなんて、どうか思わないで欲しいわ。 158エミリー:ああ、勿論花を悪く言いたい訳じゃなくってよ。 159ガイ :まー確かに、バラには顔は映せねえわなあ……。 160エミリー:そうなの。 職場にわざわざ持ち込んでる物なの、それだけ思い入れがあったの。 白バラ一輪で釣り合う訳がないわ。 161テレンス:……。 162ヴィオラ:あなたがずうっと抱っこしてるその花籠、仕事道具でしょ? 同じようなモンなんじゃない? 163セシル :ああ、確かに……そう、そうよね。 花一輪には代えられないわね。 164ジョナス:その盗難はいつから? 165エミリー:先月。 166ジョナス:それで、警察に届け出たと。 167エミリー:……届け出たというか、相談したの。 168ジョナス:彼の上司に。 169エミリー:その辺りは知らないわ。 170テレンス:ウィリアム・バートリー。 間違いないか? 171エミリー:……間違いないわ。 そう、バートリーさんに相談したの。 172ゴードン:その、ストーカーがルイスだって証拠は、まだ無いって事だよね!? 173テレンス:まだ、な。 ……ああそうか、キミはそのルイスの親友なんだったか。 174ゴードン:俺の親友が、アイツが、そんな事する筈ないでしょう。 だって本当にエミリーさんに惚れ込んでいて、 175テレンス:本当に惚れ込んでいたから、盗みを働いたんじゃないか? そして。 キミは親友だから、彼を庇っているんだろう。 176ゴードン:えっ。 177テレンス:先程、ルイスと最後に話したのは三日前の夕方だと、キミはそう言っていたな。 ミス・シャーロット。 178エミリー:エミリーでいいわ。 179テレンス:エミリー。 三日前の演目は。 180エミリー:ギルバート・アンド・サリヴァンの「ミカド」よ。 181テレンス:公演時間は二時間半。 開演は十七時。 当然開演前も劇場に。 182エミリー:三時間前から劇場内にいたわ。 183テレンス:彼女が夕方にファンへ、花を渡すのは不可能だ。 184ゴードン:……花をもらったのは、前日だったのかもしれない。 185エミリー:私、前日は劇場に行ってない。 休暇よ。 186ゴードン:──。 187ガイ :……あのー。 お取込み中の所、悪いんだけど。 じゃ、何? ゴードンが嘘を吐いてるってのか? 188テレンス:違うか? 189ゴードン:──……ルイスと最後に話したのは。 三日前の、夜。 190テレンス:何故時間を偽った? 191ゴードン:……俺が、最後にルイスに会った人間かもしれないって……。 192ガイ :いやいやいや! 俺さっき言ったろ。 二日前にアイツに会ったって! なあ。 その時アイツ、えらい上機嫌でさ。 お前が仕事を抱えてるから差し入れを持って行くって、パンを買ってたみたいなんだけどー……。 193ゴードン:……俺の所には、来てない。 194ガイ :……そっ、かー……。 って事で、ルイスと最後に会ったの、多分俺なんじゃねえかな? うん。 195ジョナス:そうですか。 ルイスがあなたを訪ねた時間は? 196ガイ :二日前の夕方。 197ジョナス:成程。 以降、彼に会った方はいらっしゃいますか? <静まり返る。> 198ジョナス:──ありがとうございます。 ガイ。 ルイスがあなたを訪ねたご用件を、お聞きしていいですか。 199ガイ :ん、勿論。 ……つっても、あんまりいい気がしねえ話だろうけどよお。 ※続きは有償版をご購入の上お楽しみ下さい。 2021.2.11 初版 羽白深夜子 2021.5.15 公開 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子 2025.9.1 更新 羽白深夜子
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