最終更新:2024/5/1
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【曽根崎心中 男性版】 (そねざきしんじゅう だんせいばん) 男性2。反社会的な要素を含みます。 有償版販売ページは
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。 【井上(いのうえ)】 二十代男性。桑原と同級生。 【桑原(くわばら)】 二十代男性。井上と同級生。 【配役表】 井上: 桑原: ======================================= <都内、ラブホテルの一室。二人でベットの上に寝そべっている。> 001井上:あー、やべえ寝てた。 今何時? 002桑原:二十三時。 003井上:あー……あー。 いいなあ、やっぱりでっかいベットって。 004桑原:わかる。 家に欲しいよな。 005井上:お前さあ。 006桑原:何? 007井上:いや、話しながらそうやってスマホ弄るの止めろよ。 008桑原:いいじゃん、別に。 お前がそうやってさ、咥え煙草で話してるのと同じだよ? 009井上:なんか痿(な)える。 010桑原:なにお前、面倒くせえ、彼女かよ。 011井上:彼女だったらよかったんですけどねー。 <ベットに灰を落とす> 012桑原:は!? うわお前、灰皿使えって! おっかねえ! 013井上:んん? あー……。 俺思うんだけどさ。 014桑原:何。 015井上:ラブホで灰皿って、いる? 016桑原:は? 017井上:ラブホってさ、やる事やる場所じゃん。 018桑原:はい。 019井上:基本、人の体液で汚れる場所だろ。 020桑原:はい。 021井上:灰皿いる? 022桑原:……はー? 何なになに、わかんねえ、もっかい説明して。 023井上:いや、だから。 こういうシーツとか、一緒くたに洗うんじゃん。 多分。 024桑原:はい。 025井上:別にどう汚れようが、それって掃除される訳だ。 026桑原:それと火事の心配は別だろ。 027井上:あ、そっか。 028桑原:…… <笑いながら> えー? 029井上:俺煙草の火事、起こした事ないから。 すっぽ抜けてたわ。 030桑原:えー? 031井上:そうか、コレ一応、火事になる可能性があるのか。 032桑原:やっぱ変わってんなあ。 033井上:え。 034桑原:お前。 035井上:そうかあ? ない? お前。 当たり前すぎて忘れる事って。 036桑原:ないないない。 037井上:マジか。 038桑原:え、ないだろ。 ……ないよな? 039井上:ない? 040桑原:ない。 え、火って危ないじゃん。 041井上:まあ、はい。 そっかー。 成程な、別問題。 042桑原:ん、んん? 043井上:俺が言いたかったのは、どうせ掃除するんだからベットに灰落とそうが何でもよくね? って。 044桑原:うん。 045井上:で、お前が言いたかったのは、煙草の火がシーツに引火したら、ヤベエ。 046桑原:うん。 047井上:すげえ納得した。 確かにな。 うん、危ねえわ、止めよ。 灰皿取って。 048桑原:…… <苦笑する> はいはい。 049井上:でもそれって、 050桑原:まだ続ける? 051井上:……。 <不貞腐れる> 052桑原:わかった、わかった。 一応聞くわ。 053井上:引火しても燃え上がるまでちょっと猶予あるじゃん、 054桑原:器物破損。 シーツの。 055井上:理解した、今完全に理解したわ。 056桑原:ならよかったわ。 057井上:だからさー。 お前、スマホ置けって。 今俺と話してんじゃん。 てかうわ! 本読んでるし! は!? 058桑原:こないだお前が面白いって言ってたヤツ。 059井上:今読むか? なあ、なーあ、俺話してんだって。 <スマホを取り上げようと手を伸ばす> 060桑原:ちょちょちょ、わかったから、はいはいはい。 061井上:よーし。 062桑原:はい、スマホ置きました。 話? なに? 063井上:んー……。 064桑原:……続き読んでいい? 065井上:要はシーツに火が、 066桑原:その話終わり! ったく。 067井上:ええ、話ぃ? 改めて話すような事なんもないわ。 068桑原:変な奴ー……。 まあ、今に始まった事じゃねえか。 069井上:そう? 070桑原:うん。 アレ、喧嘩でバット持ち出した時もさ。 071井上:だってあの程度で人間の足が駄目になるとか思わねえよ。 072桑原:フルスイングよ、フルスイング。 俺マジ、アレ見てコイツ本当にやべえなって思った。 073井上:やった事なくて知らなかったんだよ。 俺は大丈夫だったし。 074桑原:そりゃな? 親御さんもまあ、……手加減はしてたんだと思うけど。 075井上:俺にはそう見えなかったから。 やってみなきゃわかんねえじゃん、何事も。 076桑原:うん。 077井上:俺だってアレで、ああそうか、人間ってこんな簡単に駄目になるんだーって。 078桑原:<笑う> わかった? 079井上:俺の中で大発見だった訳よ。 080桑原:うん、まあー……そういうさ、コレ以上は駄目だ! っての。 普通は知る訳。 成長する過程で。 危機感、っての? 081井上:普通。 082桑原:うん、まあ、お前が普通じゃないから、俺も楽しくツルんでる訳だけど。 083井上:普通ってさ、何。 084桑原:少なくとも俺は、お前より俺は普通、一般的な思想と常識を持ってる男じゃない? 085井上:殴ったらヤベエ、引火したらヤベエ、って? 086桑原:そう。 087井上:どうだろ。 088桑原:ええ? 089井上:俺、お前が三股してるの聞いて引いたけど。 090桑原:でも今ツルんでんじゃん。 091井上:いやそりゃマズいだろ、気持ちの話。 092桑原:みんなちゃんと理解して俺と付き合ってるから。 093井上:お前の何がそんなにいいのかねえ。 094桑原:そりゃナニだろ。 095井上:俺のマグナムが火を噴くぜ、って? どうせサイレンサーつけんだろ。 096桑原:その洒落いいね。 今度俺も使お。 097井上:マグナムじゃなくて、ハンドガンだし。 098桑原:ひでえ! 099井上:俺着替えるわ。 100桑原:どうぞどうぞ。 101井上:<着替えながら> んで。 俺は気持ちの面でそういうのは駄目だと思ってる訳。 102桑原:続けるんだ。 103井上:俺自分がされたら無理だわ。 三股。 104桑原:俺だって脛(すね)にフルスイングされるの無理だわ。 105井上:これってどっちが普通な訳? 106桑原:……いや、どう考えても俺だろ。 107井上:えっマジで、本気で言ってる? 108桑原:俺は、合意の上の三股。 キミの他に、キミと同じように過ごしてる女の子いるけど、それでもいーい? って。 109井上:うん。 110桑原:お前は、脛にフルスイングされてもいーい? って聞いた? 111井上:聞いてない。 112桑原:はい決着。 113井上:でも喧嘩売ってきたの向こう。 114桑原:……まあ、まあ、一応掘り下げるか。 アレって何切っ掛けの喧嘩? 115井上:睨んでんじゃねえって因縁つけられた。 116桑原:あほくさ。 117井上:ガキの喧嘩なんてそんなモンだろ。 で、向こうがキレてナイフ持ち出したから。 118桑原:はいはいはい、その辺から見てたわ。 119井上:俺はバットで応戦。 合意っちゃ合意だろ。 120桑原:……あー……。 121井上:だろ? 122桑原:いや、何も言えなくなってるって事は、俺も同じ意見なんだろうな。 それ見てちょっとワクワクしたから、お前に声掛けた訳だし。 123井上:だろ!? じゃなきゃこうして十年以上ツルんでる訳ねーじゃん! で、で。 124桑原:で? 125井上:普通って何。 126桑原:……まあ、俺らの中の話な? 127井上:おう。 128桑原:女の子三股して、相手がキレたらフルスイングよ。 129井上:……ええ……? 130桑原:我儘言うな。 同等、じゃなきゃこうしてツルんでない。 131井上:まあ、まあなあ。 132桑原:結局は個人の許容範囲な訳で。 こういうの、正解ってないだろ。 それが上手い事噛み合ってるから、こうして遊んでる。 はい決着。 133井上:……まあ、ちょっと納得したわ。 134桑原:だろ? 135井上:おう。 ……ああ、そうか、うん。 136桑原:何なに。 137井上:俺、三股した事ねえわ。 138桑原:俺も他人にフルスイングした事ねえよ。 139井上:そうか、だからか。 うん、今度試してみるわ。 140桑原:<笑う> やっぱ変な奴! 141井上:変かあ? だって、やってみた事ないのに否定する方が変だろ。 142桑原:うん、うん。 143井上:俺は、何人も同時に付き合った事ないから。 なんてーの? 人の気持ち踏み躙ってるみたいで無理だと思ってた訳。 144桑原:はいはい。 145井上:でもさ、お前の彼女みたいにそれでも名目が欲しい人間っている訳だ。 146桑原:いるね。 一人と付き合うのが無理って子とか。 147井上:……はー、目から鱗。 そうか、なら。 それが一番丁度いい形、って場合もある訳だ。 148桑原:そうそうそう。 俺も、相手も、ウィンウィンな訳。 149井上:やっぱお前すげーな! 150桑原:何が。 151井上:俺さあ、そういう場合があるって、今の今まで思いつかなかったから。 152桑原:<苦笑する> まあ、社会一般から見れば、俺も普通ではないんだろうけど。 153井上:はあー……本読んでてもわかんねえ事って結構あるなー。 154桑原:……お前の場合は、まあ。 155井上:ん? 156桑原:別に。 何、何ていうの。 イノウエお前、結構勉強熱心だよな。 157井上:そうかあ? 好奇心が強いだけなんだと思う。 で、色々知りたいから、じゃあ読書が丁度いいんだろうなあって。 158桑原:ああね。 159井上:……あ。 160桑原:今度はなんだい。 161井上:本で思い出した、本じゃねえけど。 162桑原:何だよ。 163井上:曽根崎心中、だっけか。 164桑原:ああ、うん。 165井上:あれって、男と女、どっちが先に死んだんだっけ。 166桑原:女。 167井上:男が殺して。 168桑原:で、そんまま自分も。 169井上:それは普通な訳? 170桑原:……何なになに、ちょっと、止めてよねー。 171井上:まだ何も言ってないだろ、俺。 172桑原:本当は。 173井上:ちょっと考えた。 174桑原:馬鹿な事考えるなよ。 人間生きてるからこそじゃん。 175井上:でも派手にニュースになれば、ああ、アイツ死んだんだ、って。 色んな面倒事が片付く。 176桑原:死んだらそこでおしまいよ? 177井上:まあなー。 そうなんだよなー。 178桑原:輪ゴムの鉄砲、グラビア雑誌、モデルガン、車、酒に煙草、彼女、お金。 多分さ、この世界って女の子一人だけより、もっと面白い事沢山あるよ。 179井上:人間より面白いモノって無いと思う。 俺は。 180桑原:だからバラしてみようって話なんだろ? でもそれって究極系じゃん、なんか。 その先ってないよ。 181井上:ないかな。 182桑原:ないよ、多分。 だって俺達、女の子ってすぐ飽きちゃったじゃん。 183井上:女、まあ、確かに。 184桑原:だから俺だって三股なんてしてる訳でさあ。 でも女に飽きたから男、ってのも違うじゃん。 185井上:やってみないとわかんねえよ。 186桑原:えっ。 187井上:ん? 188桑原:ちょっとー、やだやだ、止めてよねー。 189井上:俺別にその辺頓着ないし。 190桑原:へ。 191井上:あ、お前にそういう方面の興味はない。 192桑原:って言い切られるのもなんかちょっと。 193井上:マジで血の匂いで吐いたりすんのかなー。 臓器ってどのくらいの時間、ちゃんと動いてるんだろう。 194桑原:いや聞けって。 195井上:んあ? 196桑原:まあいいや……。 で、なに? 血? 臓器? 197井上:んー。 あと、死ぬ時って、何考えるんだろう、とか。 198桑原:聞いてみよ。 199井上:そうだな。 実体験に勝るモンなし。 200桑原:そもそもさ。 曽根崎心中ってアレ、愛し合ってる男女が合意の元に心中します、美しいですねって話だろ。 201井上:そうか、そもそも根本が違ったか。 202桑原:そうそう。 残念、同意の元の殺害にはならないんじゃねえの。 203井上:クワバラお前、よく覚えてたな。 俺がちょっと話しただけなのに。 204桑原:んー? 調べたからねえ。 205井上:ご苦労なこって。 206桑原:お前が面白いって言うから、面白いのかなって思って。 そうでもなかった。 207井上:俺は面白かったけどな。 フラメンコとかにもなってんだよ、あれ。 208桑原:マジ、浄瑠璃が? 209井上:マジ。 後で動画見せるわ。 210桑原:おう。 なんだいなんだい、急に男だの女だの、……あー。 わかった。 211井上:何が? 212桑原:いいんですかぁ、あのサイコパスちゃん。 可愛がってたじゃん。 213井上:あー……まあ。 214桑原:名前なんだっけ。 215井上:シノ。 216桑原:お花屋さんのシノちゃん。 処分しちゃっていいの、勿体無くない。 217井上:別に。 内縁の嫁がいるって適当言ってあるけど、離れなかったから。 自業自得でしょ。 218桑原:マジか、そんな嘘ついたん。 219井上:嘘じゃない。 220桑原:いや思いっきり嘘じゃん。 221井上:屑のエラ呼吸だよ。 222桑原:なんも面白くない。 って、そうじゃない、そうじゃない。 223井上:何。 224桑原:お金渡せば何でもやってくれそうじゃん。 225井上:……あー。 226桑原:ちょっと考えた。 227井上:いい。 面倒くさい。 お前と二人でやるのが丁度いいの。 228桑原:ふーん、そりゃ、どうも。 229井上:あ、でも。 あの子、シノちゃんと仲が良い、デリヘルの。 230桑原:ハナちゃん。 231井上:あの子狙ってたんだけどな。 232桑原:ふうん。 殺す前に一発ヤっとく? いいよ、俺待ってるよ。 233井上:面倒くさい。 234桑原:あっそ。 ……あ。 <以降、声をやや潜めて。> 235桑原:足音。 一人。 236井上:行くか。 237桑原:車は。 238井上:目の前の駐車場。 すぐに出せる。 239桑原:車種とナンバー。 240井上:セレナの黒。 品川イの56の27。 241桑原:<振り返って笑う> サマになってんね、清掃員。 242井上:そりゃどうも。 じゃあ。 243桑原:次に会う時は、お互い殺人犯って事で。 244井上:それが普通、になる訳で。 245桑原:新しい遊びが増える訳で。 246井上:そういう事。 2020.6.26 初版 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子
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