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【Good Luck My boy】 (ぐっとらっくまいぼーい) 男性1、女性1。 「頑張れ坊や」。 2019年「僕に下さい。」ぶりの年末突発更新ですね。 有償版販売ページはこちら。 【猛留(たける)】 男性。高校二年生。 【声(こえ)】 女性。猛留に聞こえている声。 何故か猛留より年上に聞こえる方がいい気がします。何故か。 【配役表】 猛留: 声 : ======================================= <リビング、炬燵で転寝をする猛留。> 001声 :……ル……ケル……タケル……聞こえますか……。 002猛留:<寝ぼけながら> んー……。 003声 :起きなさい……目覚めの時です……目覚めなさい……。 004猛留:んだよぉ……正月休みぐらい寝かせろよー……。 005声 :いつから正月休みだと……錯覚していた……? 006猛留:なん……だと……!? <起き上がる> 今日は!? 007声 :一月二日です……。 008猛留:<ちょっと考えて> バリバリに正月休みだ……! 009声 :おはようございます……グットモーニングです……。 010猛留:何故英語……。 011声 :ただ残念ながら、あなたは死神代行ではありません……。 012猛留:え、うん、知ってる知ってる。 013声 :目覚めましたねタケル……今、あなたの脳内に直接語り掛けています……。 014猛留:……冷静に考えるとこの状況普通に怖いな。 015声 :冷静になっている場合ではありませんタケル……今世界には、魔王の魔の手が迫っています……。 016猛留:な、何……? 017声 :魔王の侵略は疾(と)うにあなたの住まう日常の目と鼻の先……混沌と業(かるま)の軍旅(ぐんりょ)は、      既にあなたの世界に厄災(やくさい)や奇禍(きか)災禍(さいか)      ありとあらゆるカタストロフィーを持ち込むべくその不遜(ふそん)で慾深(よくふか)な爪を 018猛留:あの、ノってる所で悪いんだけど、こっちが常用する言葉で歩み寄ってもらっていい? 019声 :エントロピーです……。 020猛留:また混沌って言った……。 021声 :「エントロピー」、即ち「混沌」だと……よくわかりましたね……。 022猛留:そ、それは、まあ……。 023声 :流石、幼い頃から黒魔術やオカルト事、ちょっと格好良いイタリア語ラテン語その他をせかせかと調べては、      中二病と総称されるそれらを大学ノートに書き溜めているだけの事はありますね……。 024猛留:なんで知ってるのォ!? 025声 :家族共用のパソコンを使っていたでしょう……あなたのご家族もご存知ですよ……。 026猛留:アアッ!? 027声 :あなたが小学生の頃、両親のスマホを使って「黒魔術 簡単 悪魔の呼び方」と調べていたので……      履歴が残っていましたよ……。 028猛留:アッ、 029声 :両親はあなたを心配して、両親祖父母兄弟叔父伯母を集めて……親族会議を開いていました……。 030猛留:アアアアアアアアアア! 嘘だろ!? なあ! 嘘だよなそれは!? 031声 :だからケンスケ叔父さんは幼いあなたに必死で野球道具を勧めていたのですよ……。 032猛留:ケンスケ叔父さんごめん! なんか本当にごめん! 無碍にしてごめん! 033声 :でもそれも昔の話……あなたはこうして、勇者として目覚める日がきたのです……。 034猛留:えっ、……俺が、勇者……!? 035声 :今こうして、私が語り掛けている事が……何よりの証拠です……。 036猛留:すごい今更だけど、その……どちら様ですか……? 037声 :私は天より使わされし者……。 即ち天使……。 038猛留:だ、だろうけど……。 自称した……。 039声 :あなたを導き、先導する……その役目を仰せつかった者です……。 040猛留:……そういうのって、名前とかあるんじゃ? 041声 :…… <聞き取れないようふにゃふにゃ喋る> です……。 042猛留:なんて? 043声 :<聞き取れないようふにゃふにゃ喋る> です……。 044猛留:聞こえない! 大きな声でもう一度! 045声 :<聞き取れないようふにゃふにゃ喋る> です……。 046猛留:ワンモアセイ! 047声 :ふふふ……私の名前が聞こえないという事は……まだ力が足りないようですね……。 048猛留:あ! ずりぃそれ! 英語まで使ったというのに! 049声 :仕方ありません……私の名前は、あなたの真の力が目覚めたその時に……。 050猛留:……まあ、いいけど……。 じゃあさ、姿は?      なんかこう、妖精みたいな姿とか、天使ならわーっと神々しいヤツ。 051声 :今のタケルには刺激が強すぎます……。 052猛留:どういう事!? 053声 :そういう事です……未成年者に姿を見せたら……垢バン必須です……。 054猛留:そ、……そう言われたら仕方ない、のか……? 055声 :タケルは適応力があるのですね……。 056猛留:ま、まあな。 057声 :流石、即ち中二病と呼ばれるそれらを書き溜めた大学ノートが三十冊を超えているだけはあります……。 058猛留:褒めるか辱めるかどっちかにして? 059声 :タケル……もう時間がありません……。 060猛留:え、急。 061声 :この世界にエントロピーが……。 062猛留:はいはい混沌な! その件(くだり)はもういいから! 063声 :この話をスキップしますか……? 064猛留:急なソシャゲ感やめよ!? 065声 :リセマラは特にしなくても大丈夫です……。      このチュートリアルと第一章を終えたら、引き直しができる百連ガチャがあるので……。 066猛留:そんなに引けんの!? てかどういう概念なの!? ソシャゲじゃないんだよね!? 067声 :未成年者の課金は二万円までですからね……。 068猛留:ソシャゲじゃん! 069声 :これはゲームであっても遊びでは 070猛留:<遮る> ねえ権利関係大丈夫な人!? 大丈夫じゃないよね多分ね!? 071声 :タケルは……我が主は……聡い方なのですね……。 072猛留:あ、これチュートリアル終わったんだな。 073声 :早速、この世界に迫っている混沌についてなのですが……。 074猛留:ちゃんと混沌って言った。 075声 :この世界唯一の巫女を狙って行軍している様子です……。 076猛留:お、おお……なるほどね、ヒロインね、はいはい。 077声 :誰がヒロインだと言いましたか……? 078猛留:えっ? 079声 :誰が、あなたと都合よくイチャイチャしてくれるご都合系ヒロインを宛がうと言いましたか……? 080猛留:宛がってくれないの!? 081声 :アニメや漫画やソシャゲではないのですから、あなたが手をこまねいているだけでは何も起きませんよ……。 082猛留:散々ソシャゲっぽい事言ってたのに急に辛辣じゃん!? ま、まあ、そりゃそう、うん。 083声 :ちなみに手をこまねくというのは、「何もせずに傍観している」という意味になるのですが……      ちょ、ソシャゲだったらタップするじゃん……という小賢しい言い訳は無用です……。 084猛留:日本語に自信お姉さんだ……言い訳したら? 085声 :ダッシュしてチョップです……。 086猛留:チョップで気が済むんだ……わかったよ、言い訳しないで聞いてるって。 087声 :タケルは……我が主は……物分かりがいいのですね……。 088猛留:またひと段落終わったんだな……。 089声 :巫女を……彼女を守って欲しいのです……。 090猛留:んん、まあ……その巫女ってどこにいんの? 091声 :ミヨちゃんです……。 092猛留:……ん? 093声 :幼稚園の頃、さくら組で一緒だった……ミヨちゃんです……。 094猛留:いや、ん!? 095声 :小学三年生に上がるタイミングのクラス替えでクラスが別れ……      中学を経て十年近く経った高校二年生の今、再び同じクラスになった……ミヨちゃんです……。 096猛留:わかるよ、わかるんだよ!? え!? 097声 :幼稚園の頃バレンタインに形がいびつだけど心が籠ったトリュフをくれて、      ホワイトデーのお返しに家族総出でカップケーキを作って贈ったあの……ミヨちゃんです……。 098猛留:待て待て待て、 099声 :まだわかりませんか、あなたが小学校の運動会の百メートル走で転んでしまったあの時……!      保健委員だからと懸命に手当てをしてくれたあの……ミヨちゃんです……! 100猛留:わかっ、わかった! 誰かわかるから! 今同じクラスのキサキさん、キサキミヨコさんね!      てかなんでちょっとキャラ変わってんの!? 101声 :わかって頂けましたか……。 そうです、顔が可愛い系で小柄な上やや発育が良いばかりに      プールの時間では男子生徒の注目の的になってしまい、女子にもやや白けた目を向けられ、      悩んだ末実は夏にプールの授業を休んでいたのは仮病だったあの、ミヨちゃんです……。 102猛留:そんな、ええ!? そうだったの!? なんか元気ないなとは思ってたけど! 103声 :相談されました……。 104猛留:どうやって!? 105声 :ラインで……。 106猛留:ラインでェ!? 天使ちゃんと解決したァ!? 107声 :しました……私のアドバイス通り、クラスのヒエラルキートップ女子に相談した所、      女子達の理解も得られ、プールの授業も終わった頃には元気になっていました……。      先日、その時に仲良くなった友達と出掛けた写メももらいました……。 108猛留:そ、そっか、よかった……。 109声 :彼女です……彼女が巫女なのです……タケル……彼女と付き合、彼女を守るのです……。 110猛留:なんで言い直した? なあ、なんか明らかに違うニュアンスの事言ったな今な? 111声 :魔の手は彼女に迫っています……タケル……あなたが彼女を守るのです……。 112猛留:お、……俺がぁ……? 113声 :あなたしか、いないのです……      というかプールの件……あなたは何をしていたのですか……クラスメイトでしょう……。 114猛留:え……なんか、その……女子の水着姿、ジロジロ見たら悪いかなと思って……      女子の方見ないようにしてました……。 115声 :よろしい……。 116猛留:お気に召したらしい……。 117声 :タケル、あなたは勇者……この世界の最後の希望……紳士な姿がまさにそれ……。 118猛留:なんかちょっとずつキャラブレしてきた……。 119声 :今後も励みなさい……決して、勇者だからとミヨちゃんとのラッキースケベに期待してはいけませんよ……。 120猛留:しねーよ! なんか、こう、キサキさんはその、確かに可愛いけど! 小さい頃からその、知ってるから!      そういうスケベ <スケベだけ小声> の対象になんて! ほら! ならねーし! 121声 :よき……。 言動が童貞そのものでよき……。 122猛留:ううううううううるせえなぁ! キャラブレ隠そうともしなくなってきたし! 123声 :ちなみにミヨちゃんはガチャには実装されていないので、しっかりストーリー内で仲間にするように……。 124猛留:そりゃそうだガチャにいてたまるか!      あーもう、そんで! キサキさんを守るって! 具体的に何すんの! 125声 :そうですね……まずは、動物病院を探しなさい……。 126猛留:は、……はぁ!? 127声 :動物病院です……わかりますか……。 128猛留:……この辺には無かったと思うけど……なんで動物病院? 129声 :ミヨちゃんが飼っているポメラニアンのゴロウの出産が近いのです……。 130猛留:キサキさんを混沌から守るんじゃねえのかよ!? 131声 :命、生命の誕生、それもペットという家族の出産を見守るという一大事……      それを、ミヨちゃんは一人で抱えています……。 132猛留:へ!? 133声 :彼女は父一人子一人の生活……その上、遠方のお婆様の容体が芳(かんば)しくなく……。      この年末年始、お父様はお婆様の元に帰っています……。 134猛留:……な、なる、ほど……? キサキさんが家に一人って事? 135声 :ラッキースケベは…… 136猛留:考えてない!      でも確か、キサキさんって兄弟いなかったよな……? って言っても、病院探した後はどうするんだよ?      俺、ミヨちゃんのライン知らねーし……伝えてくれるって事? 137声 :ミヨちゃんは冬休みの間、大体十六時頃二丁目のスーパーで買い物をしています……。 138猛留:だからなんでそんな事まで知ってんの!? 139声 :私は天から使わされているからです……スーパーの前にドーナツショップがありますね……。      そこで張り込むのです……外で張り込むのは寒いので店内で……温かい飲み物も買うんですよ……。 140猛留:まさか。 141声 :そのまさかです……出くわすのです……偶然を装って出くわすのです……。 142猛留:勇者にストーカーを勧める天使がどこにいる!? 143声 :ここにいます……これも世界の為です……。 144猛留:流石に天使の言葉とはいえ、クラスメイトを張り込んで偶然を装って出くわすのは抵抗があるんだが!? 145声 :できないと言うなら……。 146猛留:で、できないと言うなら? 147声 :ダッシュして 148猛留:チョップなんだな!? 149声 :タケル……よくお聞きなさい……。 私はあなたを導き、先導する……その役目を仰せつかった天使……。      巫女は……ミヨちゃんは……とても健気な女の子です……。 150猛留:なんか始まった……。 151声 :大切な家族の一大事が重なり……困ってしまった彼女は私を頼りました……。 152猛留:ラインで? 153声 :ラインで……。 154猛留:てか、ラインで頼れるなら天使が助けたらいいじゃん……。 155声 :私も流石に隣町、 <咳払い> 人間界の動物病院にアテがなく……。 156猛留:滅茶苦茶隣町って言ったな。 157声 :彼女と私との出会いは二年前まで遡ります……。 158猛留:高校受験の時期ね、成程ね。 159声 :意気投合した私達はラインを交換し、彼女から大小さまざまな悩みを相談されました……。      勉学について、進学について、そして小さい頃から片想いしている男の子について……。 160猛留:最後のは話さなくていいからね!? 161声 :何故です……天使は友達以上恋人未満の男女が好きです……年若いと更にいいです……。 162猛留:知らねえよ! 163声 :タケル……よくお聞きなさい……。 164猛留:俺聞いちゃ悪いだろ!? 聞いちゃダメなヤツだろ!? 165声 :巫女を守る勇者だから差し支えありません……。 166猛留:心情的には個人情報よりダメなヤツじゃない!? 差し支える事しかねえだろ!? 167声 :幼い頃ホワイトデーのお返しにカップケーキをもらいましたがその後進展がないまま、      クラスが別れてしまった上卒業式の第二ボタンや各種イベントでも勇気が出せずにいた所      十年近い年月を経てまたクラスメイトになり 168猛留:だーもう! いつまでふざけてるんだよねーちゃん! 169声 :あれ? バレてたんだ、なんだぁ。 170猛留:死神代行とか言い出した時点でわかってたっていうか! 声滅茶苦茶襖の向こうから聞こえてたし、 171声 :あー寒い寒い、冷えたわ、炬燵入ーれて。 172猛留:無視! 173声 :いやぁ、正月も二日目になるとヒマでさぁ。      みかん取ってきたら、可愛い弟が転寝してたからよぉ。 ひひひ。 174猛留:俺、知らんうちにトラックで轢かれたのかと思ったわ! 175声 :家の中で寝てるだけでどうやってトラックに轢かれるんだよ。 176猛留:もー……次からはこう、切り所っつか、オチちゃんとつけてから始めろよな。      てか俺のノート勝手に見るなよ! 引き出しの結構奥に入れてた筈なのに……!      後そうだ、親族会議とかその辺の話って 177声 :あ、ちなみになんだけど。 178猛留:可愛い弟の話聞け!? もおおおお、久々に帰ってきたと思ったら、俺の事玩具にするのやめろよ! 179声 :さっきの話全部本当だよ。 180猛留:終わった、ちょ、ケンスケ叔父さんに電話してくるわ、 181声 :ミヨちゃんの件も、ほんとだからね。 182猛留:えっ。 183声 :ほんと。 向こうも塾の先生がタケルくんのお姉ちゃんだって気付いてないから安心しな。      私らちょっと歳離れてるからねー、顔もそんな似てないし。      そっか、なんだぁ。 タケルはラッキースケベしてなかったのかぁ。 184猛留:……ま、またまたぁ。 俺を玩具にすんなって言ってるだろ! 185声 :ほんとだって。 最近苗字で呼ばれるのが寂しいって言ってたぞ。      あ。 でもさっき一回、ミヨちゃんって言ってたな。 よしよし、その調子だ、弟。 186猛留:……マジ? 187声 :マジ。 お姉ちゃん、嘘つかない。 188猛留:……。 189声 :グットラック、マイボーイ。 190猛留:……ヘイシリ! 一番近い動物病院! 191声 :シリではなく天使、それも恋のキューピットですよ……。 192猛留:もうソレいいってばぁ! 2022.12.28 初版 羽白深夜子 2022.12.30 更新 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子 サイトへ戻る