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【Hello Brother&Sister!】 (はろーぶらざーあんどしすたー!) 男性2、女性2。 「こんにちは兄弟」。 「Good Luck My boy」「Smile My Girl」の続き。 タイトルにエクスクラメーションがついているという事はきっと楽しいお話です。 有償版販売ページはこちら。 【長谷川 猛留(はせがわたける)】 17歳、高校二年生。絢の弟。 かつてゴリゴリに拗らせていた中二病から無事舞い戻った高校生男子。 幼稚園生の頃美陽子にバレンタインチョコをもらい、お返しにカップケーキを一族総出で見守られながら贈った。 約十年ぶりに美陽子と同じクラスになって何となく美陽子を意識している所で絢の弟可愛さ故の悪ふざけで 美陽子が今も自分に好意を抱いている事を知るが、そんな事より弟というものは須らく可愛い。 ※「Good Luck My boy」、猛留と同一人物。 【長谷川 絢(はせがわあや)】 28歳女性、塾講師。 お茶目が若干行き過ぎている節がある猛留の姉。美陽子の通う塾の塾講師。 塾講師として働きながら美陽子と親しくなり、「この好きな人の話、我が弟では?」とうっかり閃き、 偶然を装って出くわす事を提案した張本人。面白ければ何でもいい豪胆な女性。 弟というものは須らく可愛いので机の引き出しを漁るという悪ふざけは後々本人にちゃんと謝る。 何なら、引き出しの物を一度全部取り出して綺麗に掃除して整理整頓して仕舞い直す。 ※「Good Luck My boy」、声と同一人物。 【妃 美陽子(きさきみよこ)】 17歳、高校二年生。和志の妹。 顔が可愛い系で小柄な上やや発育が良い(バインバイン)ばかりに男性の目を引いてしまう所があり、 人付き合いにおいて事引っ込み思案かつ内弁慶な節がある。ご都合系ヒロインではない。 幼稚園生の頃猛留にバレンタインチョコを贈り、お返しにカップケーキをもらうも 猛留の一族総出+美陽子の家族にもガッツリ見守られていた為、猛留との恋を滅茶苦茶応援されている。 両親と兄がはちゃめちゃに破天荒なので大体のボケは半分乗っかり半分受け流す術を習得している。 ※「Smile My Girl」、美陽子と同一人物。 【的場 和志(まとばかずし)】 30歳男性、農家。ハイパーファーマークリエイティングコンサルタント。長いので農家のお兄さん。 顔も頭も良いのに精神的に元気がよすぎる美陽子の兄。歳が離れた妹の美陽子を溺愛している。 美陽子と苗字が違うのは、母親がうっかり三年程生死不明で両親が離婚してしまった所為。 かつて彼女でもない女性達と大手日系老舗企業人事の方々が和志を巡ってバトルロワイアルを繰り広げた。 両親共に家族仲はものすごく良いので、この夏第九十二回妃家家族旅行が計画されている。 ※「Smile My Girl」、和志と同一人物。 【配役表】 長谷川猛留: 長谷川絢 : 妃美代子 : 的場和志 : ======================================= <ドーナツショップ店内。> 001和志 :いやはや! 本日は大変お日柄も良く! 002絢  :ねぇーっ、良い天気になりましたね! いや、本当に噂通りの美男美女のご兄妹で! 003和志 :何を仰いますやら! ハセガワさん達も、ね! 見目麗しいご姉弟でいらっしゃる!       なあミヨコ! 美女だそうだぞ、お兄ちゃん鼻高々だぞー! 004絢  :ほらタケル! アンタも何か言ったら! 005猛留 :ねえコレどういう状況!? 006美陽子:ごめんねハセガワくん、私、ハセガワ先生がハセガワくんのお姉さんだって、本当に知らなくて……! 007猛留 :あっ、エッ、アッ、キサキさんが謝る事ないから! ほら、その、びっくりしたよねー!       この間そこで偶然たまたま、何の因果か突然バッタリいきなり出くわしたの! ね! 008美陽子:ね、ね! 急にこのドーナツ屋さんの前で行き会うなんて、びっくりしたよね!       冬休みの間、ハセガワくんに会えるなんて思ってなかったから……。 009猛留 :えっ……。 010美陽子:な、何でもない! ごごごごめんね、急に変な事言って! 011絢  :もーどうしたのキサキさん、そんなに緊張しなくていいのよ? 012美陽子:だッ……! だッ……! 013和志 :ははは! 妹は少々、人付き合いにおいて事引っ込み思案かつ内弁慶な節がありまして!       今言い淀んでいるのは……そうだな。       「いつも色々な事を相談していた頼れる塾の先生がまさかクラスメイトのお姉さんなんて!」       と言った所でしょうね! 014絢  :マーッ! いつも成績優秀で笑顔が素敵なキサキさんが、こんなに恥ずかしがるなんて!       一体何があったのかしらー! 015美陽子:ははははハセガワ先生! シッ! シーッ! 016和志 :僕までご同席させて頂き大変嬉しい次第!       タケちゃんくんも、随分と久しぶりだなぁ! すっかりイケてるメンズで見違えたぞ! 017猛留 :え、えっ……? 俺その、お兄さん……? に、お会いした事ありました、っけ……? 018和志 :僕はキミの事をハッキリ覚えているぞ!       あれはそう、春と呼ぶにはまだ早い麗らかな日差しの中、高らかに鳴る我が家のインターホン、       ドアを開ければ小さなカップケーキを両手に抱えたタケちゃんくん……       背後の塀に隠れるタケちゃんくんのご両親にお爺様お婆様、姉上様叔父様伯母様他…… 019猛留 :アアーーーーーーーーーーーーーッ!? 020和志 :そう! あのホワイトデーの日! ミヨコの隣にいた眼鏡の青年が! 僕! ミヨコの兄だ! 021猛留 :親戚の人か何かだと思ってたッ!? 022絢  :うん、うちが特殊なだけで、ホワイトデーは別に親族郎党に見守られる行事じゃないからな。 023和志 :ははは! 両親が致し方なく離婚してしまった故、僕はミヨコとは苗字が違うが!       正真正銘、この世で唯一の! 唯一無二の! ミヨコの兄だ! 024美陽子:ご、ごめんね、びっくりしたよね。       私、小学校の家族を紹介する授業でお父さんの話しかしなかったから……。 025猛留 :だよね? 確か一人っ子だよなってずっと思ってた。 026美陽子:その頃お母さん、サントメ・プリンシペにいて失踪扱いだったから……。 027猛留 :なんて? 028和志 :ミヨコ!? 小学生の頃お兄ちゃんの紹介してなかったのか!? 029美陽子:その頃には離婚の話が出てお兄ちゃんは母方のお婆ちゃんの所に、って話になってたし……。 030和志 :クッ……! 母の帰りを待つ人間が必要だと思った当時の僕が!       気遣いが百点満点にできたばかりに……ッ! 今ココで挽回せねばならない! 031絢  :ん? バンカイ? 032猛留 :今死神代行の話してないから座ってねーちゃん。 033和志 :改めて! タケちゃんくん! そしてお姉様! 今後ともよろしく! 034猛留 :あ、ああ……タケルでいいっすよ……。 035和志 :そうか! ミヨコをよろしくな! タケルくん! 036猛留 :ん? 037美陽子:ごめんね、うちのお兄ちゃん声が大きいし大分気が早くて……。 038猛留 :んん? ああいや全然! すごいその、大事にされてるんだ!       ねーちゃんも今こんなだけど、家では声デカいから気にしないで <絢に殴られる> イッデェ!? 039絢  :私達も歳が離れてる姉弟だと思っていたけれど、十……三歳差? ですか? 040和志 :そうですね、僕が中学に入ってからミヨコが生まれたもので!       僕にとってはずっと新生児室にいる小さな妹のままで <美陽子に蹴られる> 痛い!? 041美陽子:余計な事言わないの。 042和志 :ごめんなさい。 043美陽子:わかればよろしい。 044和志 :うむ! 045絢  :あーらぁ、仲が良いのねぇ! 046和志 :しかしそちらも、十一歳差のご姉弟になりますか!       いやあ、十歳以上差がある他所の兄弟には初めて出会えたな。 存外親近感が沸くもので! 047絢  :あれ、お兄さんしました? おむつ替え! 048和志 :当然しました! ミヨコは粉ミルクで育ったものですから授乳も僕が! 049美陽子:えっ。 050絢  :まあ羨ましい! タケルは某機関車のオモチャをしゃぶりながらじゃないと       八歳まで一人寝ができなかったものですから、十歳まで私と同じ部屋で寝ていて 051猛留 :ねーちゃん! お願い変な事言わないで! 052美陽子:お兄ちゃんもだよ! 粉ミルクで育ったなんて恥ずかしいから! 053猛留 :そうかな!? 054和志 :恥ずかしい事ないぞミヨコ! 今は母乳じゃなく粉ミルクでの育児もごく一般的だ! 055猛留 :そこかなぁ!? 今恥ずかしいのはそこなのかなぁ!? 056絢  :別に変な事じゃないだろ。 私達の育児の思い出ぞ? 057猛留 :育児されてた側からすると超絶恥ずかしいんだよ! 058美陽子:あー、あの! ハセガワくんとハセガワ先生って、いつも家でどんな話してるのかな? 059猛留 :どんな、えー普通の姉と弟って感じだと思うけど。 060絢  :私がもう一人暮らしをしてるから、あまり実家には帰ってないんだけど……       この間は、昨今流行りのファンタジー導入部分のノリでタケルを揶揄(からか)ってみた、かな。 061猛留 :歌ってみた、みたいなノリで揶揄われる弟の気持ち考えた事ある? 062美陽子:そっかぁ。 仲良いんだねえ。 063猛留 :仲、……は、まあ、良いんじゃないかな。 不服だけど。 064絢  :そうだな、仲は良いな。 よし、次は転生したら 065猛留 :<遮る> しないよ? もうしないよ? もう脳内に語り掛けてこないでね? 066和志 :なんと! お姉さんはそんな事ができるんですね! 067猛留 :できないよ? できてなかったよ? 思いっきり襖の向こうにいたよ? 068絢  :ほらほら、私達の話はいいんだよ。       今日はタケルとキサキさんがいつも学校でどんな感じなのか、聞きたくて来てるんだからさ。 069和志 :お! そうだそうだ、僕らの育児の話はまた改めてにするとして……。 070猛留 :改めるという事はまた場を設けて話すんだ……。 071和志 :タケルくん、ミヨコは学校で皆に溶け込んでいるだろうか? 勉強で遅れをとっていないか? 072猛留 :いや、俺なんかより全然成績良いっすよ! 後はー……うん! いいっすよ! 073絢  :<小声> 他は何も知らないんだな? 074猛留 :<小声> いきなり普段絡みのないクラスメイトの良い所挙げろって言われても! 無茶だろ! 075美陽子:えー成績の事知ってくれてたんだぁ、なんか恥ずかしいなぁ。 076猛留 :あっ? うん! なんかほら、成績表配られた時、周りのみんなが褒めてたよね! 077和志 :そうかそうか! ミヨコは成績表の評定、いつも全部5しかないもんな! 078美陽子:お兄ちゃんバラさないでよ! 恥ずかしいよ! 079絢  :なんだ、タケルとお揃いだな。 そうかそうか、キサキさんも授業の成果が出てるようで何よりだ。 080猛留 :<小声> 俺の知らない故の曖昧な返答を無に返さないで! 話題なくなる! 081美陽子:えーっ! お揃いなの!? 082猛留 :エッ!? あ、うん! <小声> この子よくわかんない所で食い付いてくるな!? 083美陽子:そうなんだぁ、なんか嬉しいなあー。 そうだったんだー。 次評定出たら見せ合いっこしようね! 084猛留 :あ、ああ、うん! いいよ! 085絢  :<小声> 愚弟(ぐてい)、貴様何か勘違いをしていないか? 086猛留 :ねーちゃん……!? 直接、脳内に!? 087絢  :<小声> キサキさんも私からしてみればピヨピヨ歩きでまだまだ可愛い盛りの女子高生、       その上お前におネツでゾッコンラブ! 088猛留 :ゾッコンラブって言い方なんかヤだな!? 089絢  :<小声> そんなピヨピヨのヒヨコちゃんがゾッコンラブな男子との共通点に       食い付かない訳がないと踏んだ姉の手腕、そら見た事か! いいか、私の指示は全うしろ! 090猛留 :ええ……わかったけど……。 091美陽子:ハセガワくん? どうしたの、一人で慌てて。 092猛留 :ん!? 何でもないよ!? ん!? 093和志 :<小声> そうだタケルくん! ミヨコはキミにゾッコンラブ! 094猛留 :お兄さんまで脳内に!? 095和志 :<小声> ミヨコは両親と僕の寵愛をこれでもかと享受して育ったのんびり屋さんの鈍感さん!       今もキミと成績表の見せ合いっこの約束をした上、目の前には大好物のカフェラテと       ポン・デ・なんたらがあるお陰で心中舞い上がっており、他は概ねアウトオブ眼中だろう! 096猛留 :確かに……! 頬っぺたがハムスターばりにポン・デ・なんたらでパンパンだ! 可愛い! 097和志 :<小声> 同感だ! 可愛い! 098猛留 :てかポン・デ・なんたら滅茶苦茶買ってきたなこの子!? 全部今食べるのかな!? 099和志 :<小声> 心配いらない! ポン・デ・なんたらは一日五つまでと僕と約束している! 100猛留 :九個乗ってますよ!? 101和志 :<小声> キミの気のせいだ! ミヨコは僕との約束は必ず守る!       僕達の事は構うな、キミはミヨコとこれからの学校生活での会話の糸口を探すといい!       極端な下ネタと動物の死ネタはミヨコが嫌がるから避けるんだぞ! 102猛留 :わかっ、え、九個ある、でもわかった! 103美陽子:なんで三人でコソコソ話してるの? 104猛留 :全然脳内に話し掛けてきてねえ! 直接話し掛けてた! 105美陽子:ねー、何の話してたの? 106和志 :なに、今後の学校生活と成績について、男同士の話をしてたのさ……。 わかるな、ミヨコ! 107美陽子:オッケー。 108猛留 :オッケーなんだ、ねーちゃんとも話してたのに……。 109絢  :構うな、構うな。 110猛留 :あーでも、えっと、ほら。 文化祭、手芸部でさ、何か出してたよね? ぬいぐるみ? 111美陽子:えっ、うん! 112猛留 :あれすごかったよね。 店に置いてあるぬいぐるみみたいだなって思ったよ。 113美陽子:見たの? え、見たのアレ!? 見たの!? 114猛留 :う、うん。 ほら、写真部の展示の隣だったから。 115美陽子:そうだったねえ。 私もハセガワくんの写真見たよぉ。 ハセガワくん、写真上手だよね! 116猛留 :マジ!? 117美陽子:うん!       ハセガワくんの意図がしっかり伝わるっていうか、構図選びと光源からの視線誘導が上手なんだよね。       色のコントラストも綺麗に撮れてるし、特にローアングルから校舎を撮った写真と川辺で撮ってる写真が       すごい顕著なのかなって思うんだけど引き算がちゃんとできてるから意図が明確で分かりやすくて、       ハセガワくんの写真はダイナミックなのが良い所だと思うから反射光の掛かり方とか 118猛留 :あの、ごめんねちょっといい? 119美陽子:ん? なぁに? 120猛留 :め……滅茶苦茶見てくれてるじゃん!? え!?       さっきの「隣の展示だったからついでにちょっと見たよ」感からの! 121美陽子:あっごめんね、気持ち悪かったかな……。 122猛留 :全然!? むしろ俺の感想、店に置いてありそうって小学生みたいな感想でごめんね!? 123和志 :<小声> ミヨコはキミの写真が切っ掛けで写真の構造について勉強する為に本を買っている……! 124猛留 :だよねそういう感じの言い方だったよねえ!? えーマジで、見てくれてありがとう……! 125美陽子:全然全然! ああいうのって、どこで勉強するの? 126猛留 :……本、かなぁ……! 127美陽子:へえーそうなんだぁー。 128絢  :<小声> よかったら本貸そうか、もしくは本を勧めたいからライン教えて! ほら言え! 129猛留 :え、あ、もし興味があったらなんだけどぉ…… 130美陽子:<遮る> お兄ちゃんもね、写真すっごい上手なんだよ! 131猛留 :あーっそうなんだ! お兄さんも写真撮られるんですね! 132絢  :<小声> クソ童貞のゴミクズがよぉ……! 133猛留 :<小声> 今の不可抗力だろ、そんなボロクソ言われる程だったか!? 134和志 :おっ、僕の写真か。 そうだな、我が家のミヨコアルバムは大方僕の撮影だからな! 135猛留 :何!? ミヨコアルバム……!? 136絢  :お兄さん! それは言葉通りキサキさんの写真が詰まったアルバムか!? 137猛留 :ねえ俺より食い付くじゃん! やめてよ俺より他所のお嬢さんに食い付くの! 138絢  :こんな美少女のアルバムなら食い付く他ねーだろ!? 139猛留 :本当に恥ずかしいから止めて! 140和志 :その通り、言葉のまま! ミヨコの成長の全てが詰まったアルバムだ!       袋綴じでミヨコのセクシーショットも満載! 141猛留 :おっ……とォ……!? 142美陽子:お兄ちゃんそんな写真撮ってたの!? 143和志 :ああ! さくら組当時で言うと……そうだな、       ミヨコがお気に入りのくまさんを抱っこして指を咥えて振り返るショットだとか、       温水プールでひよこさんを頭に乗せてはしゃいでいるショットがオススメだな!       当時さくら組担任だったタカムラ先生にちょっとお金を渡して当時のお昼寝写真も大量! 144絢  :<泣きながら> さくら組担任の保育士さんになりてぇよお……! 145猛留 :ねーちゃん! 落ち着いて! 泣き出さないで! 146美陽子:なんだぁ、児童ポルノへの配慮はバッチリなんだね。 147和志 :ああ。 袋綴じと言うと些かいかがわしいイメージはあるかもしれないが、       ミヨコの袋綴じはガチで門外不出故にアルバムを袋詰めにしているだけだからな。 148猛留 :<小声> じゃ袋詰めって言えよ……! いかがわしくないのかよ! 149絢  :タケル? 150猛留 :何でもないです。 151和志 :ミヨコ誕生のボリュームワンから現在まで随時更新中!       七五三入学式卒業式四季のお祭りクリスマス正月、運動会文化祭他学校行事等々!       各種イベント事はBゼロサイズのポスターも付いてくる! 152猛留 :あれ? CM入ってる? 153和志 :僕か父の承諾さえあればいつでも閲覧可能だ! 貸出禁止ではあるがな! 154美陽子:ボリュームエイティーツーの夏祭りのポスター、アレ映り良くて好きなんだよねー。 155猛留 :えっ本人公認!? ポスターも!?       ボリュームエイティーツーって、八十二冊目のアルバムって事!? 156美陽子:七歳の頃の夏祭りの写真なんだけどね、花火がすごい綺麗に写ってるんだよー。 157猛留 :ボリュームエイティーツーが七歳当時!? 158絢  :それは閲覧の際! 写真撮影は可能なんですか!? 159猛留 :アンタは他所のお嬢さんに何を求めてるんだ!? 写真を写真に撮るの!? 160和志 :どうなんだ、ミヨコ。 161美陽子:いいよぉー。 162和志 :権利者の承諾が下りたのでお姉さん、貴方には撮影を許可しよう! 163猛留 :いいんだ!? 164絢  :権利者に即時許諾を求める姿勢、そのレスポンスの早さ、気に入ったッ……!       秘蔵ではあるが致し方あるまい、こちらもタケルベストアルバムで応じよう! 165和志 :なん……だと……? 166猛留 :なんだとって言いたいの俺! 何ぃ、タケルベストアルバムって何ぃ!? 167絢  :ふふふ……写真数ではそちらには劣るものの、こちらの特典はすごいぞ……!       なんと! 私が死に物狂いで収録した幼児特有のあの謎歌を!       収録し最低限の編集を施したベストヒットアルバムが第十六章まで! 168美陽子:えっ……!? 169猛留 :あっそこに食い付くんだね!? 幼児特有のあの謎歌ってそんなに需要あるのかな!? 170絢  :私のお気に入りは「しょーしょーしゃのうた」と「うさぎさんとエビフライ」の二曲……!       ちなみにしょーしょーしゃとは当時上手に言えてなかったが大好きだった消防車の事!       うさぎさんとエビフライはなんかよくわからんがうさぎさんとエビフライが仲良くなる歌だ! 171美陽子:えもーい! 172猛留 :エモいかなぁ!? 動物と食品って仲良くなれるのかなぁ!? 173和志 :ははぁあの幼児特有の謎歌の収録……! 思えばミヨコもお風呂に入るとご機嫌で歌っていた!       やりますね、お姉さん! 是非とも聞かせて頂こう! 174絢  :ザッツオールライッ! 175猛留 :こっちは権利者に確認取ってくれないの!? 176絢  :お前の物は俺の物、俺の物は俺の物。 177猛留 :クッ……著作権すら凌駕する、これが姉スピリッツ! 178絢  :ただし私が自分の物とするのは弟の悲しみと思い出のみで、お前の未来はお前の物だ! 179美陽子:深イィー。 180猛留 :どうかなぁ!? 有言実行されてない気がするんだけどなあ!? 181絢  :しかし話を聞いていると、随分楽しそうなご家庭だな。       今日は愚弟の話をサポートする良き姉に徹していようと思っていたが、ついしゃしゃり出てしまった。 182美陽子:ハセガワ先生、段々塾で授業してる時の話し方になってきたもんね。 183絢  :人前に立つ上、うちの塾は男性の先生が多いしな。 この話し方が面倒がなくて楽なんだ。       家にいる時はもう少しフランクなんだけどな。 184猛留 :<小声> すげーフランクに脳内に語り掛けてくるしな。 185美陽子:さっきの、お前の未来はお前の物だっていうの、授業思い出して笑っちゃったな。 186和志 :おお! お姉さんは良い授業をされているのだな! 187絢  :どうだろう、どうなんだろうな。 私はただ生徒達よりたかが数年先に生きている、       ただそれだけで教壇に立っていて、私のエゴを押し付けている、ただそれだけな気もするが……。 188和志 :しかし教えとはそういうモノだ。 189絢  :まあ、そうか。 今はまだ私達の手助けが必要な生徒達もいずれ、自ら進む道を選ぶ時がくる。       人生のうちほんの短い間関わった大人として。 道に迷った時に手を貸せるような。       そんな言葉や教えを残せる大人でありたいものだな。       今の話もそうだが、キサキさんはいつも真面目に聞いてくれる、大変教え甲斐のある生徒だよ。 190猛留 :……ねーちゃん、教えてる教科何だったっけ。 191絢  :数学。 192猛留 :このノリの数学、滅茶苦茶暑苦しいな……! 193和志 :僕は大変感銘を受けたぞ! 人の教育とは農業と通づるモノがある!       僕も僭越ながら講演活動を行っている身!       お姉さん! 先程の話、手帳に書き取らせて頂いても!? 194絢  :逐一手で書き取るのは面倒では! ラインを交換して語り合えばいい! 195和志 :それもそうだ! 失敬! スマホを拝借! 196猛留 :なんでそっちがライン交換できるんだよ!? 197絢  :<小声で威圧的に> 見習えカスが……! 198猛留 :アッハイ。 199美陽子:あー、ポン・デ・なんたら食べ終わっちゃった。 今何の話? 200猛留 :どうして今の流れ聞かないでポン・デ・なんたらを食べ続けられる……?       この子本当にねーちゃんの授業真面目に聞いてる……? 201和志 :ミヨコ。 お兄ちゃんの分を食べていいぞ。 202美陽子:やったぁー。 203和志 :全く、ミヨコは食いしん坊さんだなぁ。 ポン・デ・なんたらはあと三つにしておきなさい。 204美陽子:えー。 205和志 :こーらっ。 ポン・デ・なんたらは一日五つまで、お兄ちゃんとの約束だろ? 206美陽子:はーい。 207猛留 :俺の記憶が確かなら、この子ポン・デ・なんたらを九個はトレイに載せてたんだよな……!? 208美陽子:<ハッとして> お兄ちゃんには内緒にしてね……!? 209猛留 :え!? だ、大丈夫、大丈夫だよ、お兄さん何故か気付いてないから! 210絢  :先程農業、と仰っていたが……お兄さんは農業関係のお仕事で? 211和志 :ああ、僕は農家のお兄さんをしておりまして。 212美陽子:<口いっぱいにポンデなんたらを含みながら> お兄ちゃん、顔も頭も良くてすごいんだよ。 213猛留 :あぁーそんなにこにこしながら無理して喋らなくていいから! 可愛いけど!       ちゃんと聞いてくれてたらそれでいいから! 十個目? を美味しく食べてて! 214美陽子:<ハッとして> お兄ちゃんには……! 215猛留 :大丈夫、大丈夫だから! 何故かまだ三つ目だと思ってるみたいだから! 216和志 :両親の離婚諸々色々あったもので、妹に寂しい思いをさせまいと選んだのがたまたま農家でして!       今思えばこの日本で少々大袈裟な気もするが、僕が育てた野菜なら食べさせる上で心配もない、       その道に通じていれば自ずとミヨコの食育についても情報が入るだろうと! 217猛留 :<小声> そんなお兄さんの思いを尻目に、十個目のポン・デ・なんたらを       滅茶苦茶美味しそうに食べてる上に数を誤魔化して申告してるんだよなあ……。 218絢  :ほおぉ。 何を育ててるいるんですか? 219和志 :色々だな、時節にあった野菜が多い。 そうだな、サイトを見てもらった方が早いか……。 220絢  :お。 この可愛いポメラニアンは? 221和志 :実家で飼っているポメラニアンのゴロウだ。 マスコット代わりになってもらっている。 222絢  :可愛いな。 223美陽子:<ポンデなんたら食べ切った> お兄ちゃんね、顔も頭も良くてすごいんだよ。 224猛留 :あぁー食べ切ったんだね、早いね、美味しかったんだね。       それでもう十一個目を手に取るんだね。 にこにこだぁー。 225美陽子:<こっそり、まんべんの笑みで> 美味しい! 226猛留 :そっかー! 227和志 :普段はネット販売に回しているが、ご興味を持って頂けるならこうして繋がった縁だ、勿論お裾分けする! 228絢  :ほぉー、この量を一人で販売を? 229和志 :今は農機具も進化しているからそれ程苦ではない。 ドローンやタブレットなんかも駆使している! 230絢  :すげーな。 お裾分けだなんてとんでもない、正規の値段を払おう。 231和志 :いやいや、日頃妹がお世話になっている身! お裾分けの範疇にさせて欲しい! 232美陽子:お兄ちゃん、顔も頭も良くてすごいんだよ。 233猛留 :あ、もう一回言った。 234美陽子:お兄ちゃんを巡って、人事の人達がオフレコで殴り合いの喧嘩をするくらいだもん。 235猛留 :うんごめん、それはすごいんだよって三回言うわ。 何? なんて? 236和志 :ははは! そうだな、あのバトルロワイアルは僕を巡っての事でとんでもなく僭越ではあるのだが、       大変壮観な試合だったな! 237猛留 :あのバトルロワイアルは僕を巡っての事という文章、人生で聞く事ある? 238絢  :多分来世でも聞かねえんだろうな。 239美陽子:ねー。 オフレコだから社名は言えないけど、人事の皆さんのバトルロワイアルは       流石大手日系老舗企業人事の精鋭、戦略と流血の狭間って感じで 240猛留 :待って待って待って、ごめんね、ちょっと詳しく聞いていいかな? 241和志 :昔、彼女でもない女性達と大手日系老舗企業の人事の皆さんが僕を巡って、       バトルロワイアルを繰り広げた事があってな。 242猛留 :ん? ん? ん? ん? ん? お兄さんを巡って? 243絢  :彼女でもない女VS人事の皆さん? 244美陽子:違うよぉ、彼女でもない女性達部門と、大手日系老舗企業の人事の皆さん部門の       バトルロワイアルがそれぞれあったって事だよ。 245猛留 :何故さも当然のように部門とか言う? あー、もしかしてバトルロイヤルって言いたい?       プロレスの? 246美陽子:それが語源になってるんだけど、ハセガワくんは知ってるかなぁ?       首に爆発する首輪つけて中学生が殺し合いする映画のタイ(トルなんだけど) 247猛留 :<遮る> 知ってる知ってる知ってる! え!? それを再現したって事!? 248和志 :爆発する首輪、というのは人道に反するからな。       身体へのダメージ量を可視化してくれる首輪をつけて、       一定のダメージを受けた方は会場から退場して頂いていたぞ! 参加賞もお贈りした! 249絢  :<小声> やっべえな、この兄妹。 250猛留 :だ、だよな!? 251絢  :面白くなってきた! 252猛留 :待って置いてかないで! ツッコミを俺に一任しないで! 253絢  :ちなみに先程講演活動と言っていたが、農家のお兄さんが講演活動とは?       人事の皆さんがオフレコで殴り合いをしてでも欲しかった人材の講演活動って? 254猛留 :ダメだ、もう滅茶苦茶興味津々だ……! 255和志 :少々名前が長い故、普段は農家のお兄さんと称しているが。       ハイパーファーマークリエイティングコンサルタントとして活動しているんだ! 256絢  :なんて? 257猛留 :<小声> 胡散臭さの極みでは? 258美陽子:胡散臭い事ないよ。 講演活動や新規就農者の斡旋や各種補助金の案内、       農地確保や資金調達についてのアドバイスを農協と <むせる> 259猛留 :あああ、ポン・デ・なんたら沢山食べるから! ほらカフェラテ飲んで飲んで……       あぁーカフェラテ美味しいねーにこにこだねー! ちょっとこの子の事わかってきたぞー! 260美陽子:<こっそり、まんべんの笑みで> カフェラテ美味しい! 261猛留 :そっかー! 可愛いからもう何でもいいやー! 262和志 :最近は農機具や資材のメーカーと提携してレンタル業も始めてな、       そういう訳で、仕事が一人でもどうにかなっているという訳だ! 263絢  :成程。 名前の怪しさに反してしっかりしているな。       ちなみに年収は…… 264和志 :収益ならサイトに会社概要として記載いる、こちらが前年度、こちらがその前で、       こちらが資本金で……年収がこうでこうで……大体このくらいか? 265絢  :ハセガワアヤ、二十八歳独身塾講師! 彼氏はここ四年ナシ!       趣味はツーリング特技は剣道、スリーサイズその他諸々は後日! 結婚しましょう! 266美陽子:えっ。 267猛留 :……ハアアアアアアアアアアアア!? 268和志 :僕でいいのか!? 269絢  :勿論! 顔良し収入良し人柄良し加えて家族思い! こんな優良物件逃す手はない! 270猛留 :まッ……! 姉ちゃん、ちょっと一回落ち着いて! 271美陽子:わぁー嬉しい、ハセガワ先生みたいなお姉ちゃん、いたら楽しいだろうなって思ってたんだ。 272猛留 :キサキさん!? 273絢  :本当に? 私もキサキさんみたいな妹がいたら毎日楽しいだろうなって思ったんだ。 274美陽子:お兄ちゃんと結婚するなら、先生って呼ぶのはおかしいよね。 お義姉さん? アヤさん? 275猛留 :<小声> この子も思ってたより大分マイペースだって今日でよくわかった……ッ! 276絢  :好きに呼んで構わないよ。 タケルは? どう思う? 277猛留 :いや、ま、まあ……お兄さん、すごい家族思いな人だとは思ったけど……、       でももっとさ、なんていうか、お互いを知ってからというか、デートとかしてみてからでも別に……       遅いって事はないんじゃないかと……も、勿論二人次第なんだけどな……? 278絢  :お前は本当に真っ当な人間だなぁ。 私にとっては家族思いって、それで十分なんだよ。       こういうのはフィーリングだと、私は思うんだけどな。 どう? 279和志 :そうか、では僭越ながらこちらも……。       マトバカズシ、三十歳独身ハイパーファーマークリエイティングコンサルタント、       もとい長いので農家のお兄さん! 彼女はいた事がない! 趣味は読書特技はビリヤード!       アヤさん! 一番大切な質問を! 280絢  :聞こう! 281和志 :僕らが結婚した場合タケルくんとミヨコは親族となる訳だがその場合二人のこれからに影響は 282絢  :全くない! 283和志 :我が伴侶よ! 病める時も健やかな時もひと時も欠かさずキミの幸せの為生きる男になろう! 284猛留 :一番大切な質問ソレで本当にいいの!? 285和志 :どうした弟ォ!? 義理の弟と書いて義弟よ! 286猛留 :距離の詰め方が光より早い! 287和志 :彼女も仰っていた通り、結婚適齢期の僕達にとってフィーリングやタイミングも重要な要素だ!       寂しい気持ちも当然あるだろうがキミが心配する事は何もない! お姉さんは必ず僕が幸せにする!       ハセガワ家とキサキ家、僕と母の苗字はマトバだがややこしいのでキサキ家と総称するが!       必ずやこの二つの家に幸せを齎す事を約束、いや! ココに誓うッ!       お姉さんを! 僕に下さい! 288猛留 :……俺がどう言おうと聞かない人なんで、好きにして下さい……。 289和志 :おお、何という事だ……婚活初心者、バブバブのバブだった僕がトントン拍子に伴侶を見つけてしまい、       かつ弟君から結婚の承諾まで頂いてしまった! ミヨコ! 兄はこんな幸せで本当にいいのだろ 290美陽子:最高。 291和志 :ってミヨコが言うなら間違いないなー! 292猛留 :もしかしてこの場で頭が痛いの俺だけ……? 293絢  :今改めて会社概要を読み込んだが、ハイパーファーマークリエイティングコンサルタント……       中々にやりがいがありそうな仕事だな。 294和志 :仕事に理解まで……!? なんてできた伴侶なんだろう! 295絢  :人手は? これだけの仕事、本当に一人で? 296美陽子:間に合ってはいるけど、朝から晩までずっと一人で仕事してるよね。 アヤぴに手伝ってもらったら? 297猛留 :あっ、ノれるんだねこのノリに! ノった上で最も距離を詰めた呼び方をチョイスしてるんだね! 298和志 :い、今まで僕一人で回す事しか考えていなかったから……仕事量が適切なのか、自信はないな……。 299絢  :おや、それはよくない。 アヤぴは事務仕事の早さは中々定評があるぞ。 塾内での話だけどな。 300猛留 :アヤぴ呼び方乗っかっていくんだ……。 301美陽子:あ……って事は、アヤぴ塾辞めちゃうの? 大学受験あるけど、仕方ないかぁ……。 302絢  :すまない伴侶。 アヤぴの手伝いは来年の春まで塾講師と兼業でもいけるか? 急用ができた。 303和志 :当然だ、伴侶にはしっかり教え子達の未来を見守って欲しい! 僕の手伝いは二の次で構わない! 304猛留 :ねえ、伴侶って呼び方ははたして一般的なのかな? もしもーし? 305絢  :一通り話がまとまった所で、私達はこれからの話をせねばならなくなった。 306和志 :ああ。 口先だけで誓うのは容易いが、今後の為にまずは二人の意思疎通は最優先になるだろう。       ミヨコ、兄は伴侶との話し合いがあるから。 帰り道で暴漢に出会ったら法が許す範囲で半殺しに 307美陽子:できないよー。 308和志 :という事なので義弟よ! ミヨコの事は頼んだぞ!       ミヨコに手を出す悪漢は法が許す範囲で半殺しにして構わない! 309猛留 :ええー……。 310絢  :タケル、姉ちゃんは人生で最も大切な所用ができた。 この場の盛り上がりはお前に托したぞ。       <小声> ラインの交換できなかったら今日家の中入れねェからな。 311猛留 :わ、……わかった……。 312和志 :それでは参ろうか伴侶! こ洒落た回転寿司で初デートだ! 313猛留 :多分恐らくチェーン店だ! 314絢  :いいねえ、丁度魚の気分だった。 奢るなんてつまんない事しないでくれよー? 315和志 :何! デートとはそういうモノではないのか!? 316絢  :未来の伴侶と支払いをわざわざ分ける事はないだろ。 割り勘だ。 317和志 :ああ! キミがそう言うならそうしよう! ミヨコ! 帰りに実家に寄るからな! 318美陽子:オッケー。 319猛留 :俺はまだダーリンとハニーの方が許容できるよ!? 呼び方!       あと、ねーちゃん回転寿司五十皿は絶対食べるよー!? <和志、絢、立ち去る。> 320猛留 :……今日、何しに来たんだっけ。 321美陽子:ごめんね、お兄ちゃんが元気いっぱいで……。 多分お寿司が食べたかったんだと思う。 322猛留 :う、うん、そうなんだろうね。 323美陽子:あと……ポン・デ・なんたらの数、黙っててくれてありがとう……。 324猛留 :うん……お兄さん、なんで気付いてなかったんだろうね……。 325美陽子:私が三つしか買ってないよって言い張ったから……? 326猛留 :でも九個買ってたよね? 327美陽子:ううん、十二個買ってた。 328猛留 :食べ過、いや、いっか……でも、あの、今日話せてよかったよ、なんか。 329美陽子:ほんと? 嫌じゃなかったかな?       ほら、私はアヤぴと塾で会ってたけど、ハセガワくんはお兄ちゃんの事、二度目ましてだし。 330猛留 :一度目ましての事あんまり覚えてないけど……。 その。       そういえばキサキさんも、あのー……バレンタインの事、覚えててくれたんだ。 331美陽子:う、うん。 ごめんね、お菓子作ったの、あの時が初めてだったから、その……。       あんまり美味しくなかったよね……。 332猛留 :<小声> よかった! いつも学校で見るテンションのキサキさんだ! 333美陽子:ん? 334猛留 :ななな何でもない! そ、そっか、初めてだったんだ。 335美陽子:ハセガワくんのカップケーキ、すごかったよね。 いつもお菓子作ってるの? 336猛留 :あー……あの時は家族と親戚が、作るの冷やかして、いや、手伝ってくれたから。 337美陽子:すごかったよね、持ってきてくれた時、大名行列みたいだったもんね。 338猛留 :大名行列……ッ! 339美陽子:あれ、すっごい美味しかったよ。 340猛留 :……じゃあ、あの。 また作るからさ。 341美陽子:いいの!? 342猛留 :だから、その、キサキさんのトリュフもまた食いたいなー……なんて……       あっ、ももも勿論バレンタインとかじゃなくていいから! 全然!       バレンタインに欲しいって訳じゃないから! バレンタイン来月だなとか思ってないし!       全然! なんか、親戚になるっぽいし! 343美陽子:わかった。 バレンタインに作るね。 344猛留 :う、うん……! ああーそうだ、ほら親戚になるしさ!       俺もねーちゃんが暴走してないか心配だから! ラインとか交換しねえ!? 345美陽子:えー! いいの!? 暴走するのはお兄ちゃんの方だと思うけど! 346猛留 :ね、ね!? ほら、お互い心配じゃん!? 347美陽子:うん! 348猛留 :だから! ど、どう!? 349美陽子:いいよぉ、えーやったぁ、私も交換しよって言おうと思ってたんだよねー。 350猛留 :<小声> ッシャァ……! マジねーちゃんありがと……! 351美陽子:やっぱ、お姉さんと仲良いんだねえ。 352猛留 :ん、まぁ……多分……? でも多分、キサキさん達の方が仲良いんじゃないかな? 353美陽子:そんな事ないよ、私が操縦してないとお兄ちゃんああだから。       あ、今スタンプ送ったよー。 354猛留 :おーありが……ありがとー! <小声> スタンプのセンス、独特ー! 355美陽子:あの、冬休み、結構ヒマしてるから! いつでも送ってね。 356猛留 :お、おん、うん! わかった! じゃあ、俺達も帰ろっか。       俺トレイ持って行くね。 357美陽子:ありがと、あ、えっと、 358猛留 :<立ち上がる> 家まで送るけど、大体どの辺り 359美陽子:あ、あの、ハセガワくん! <服の裾を掴む> 360猛留 :ンッ!? な、なな、何!? 361美陽子:あの……迷惑じゃなかったら、なんだけど……。 362猛留 :え……うんうんうんうん! 363美陽子:また、ちっちゃい頃みたいに……タケちゃん、って、呼んでもいい……? <店外。様子を盗み見ている和志と絢。> 364和志 :よし! 何やら良い雰囲気……! やはり先に席を立ったのは正解だったな、伴侶! 365絢  :当然だ伴侶。 私達のアイコンタクト、二人は気付いてなかったようだな。 ひひ。 366和志 :この調子なら、関係を温めるのも心配なさそうだ。       流石にこれ以上の盗み見は無粋というもの! 向かおう、回転寿司に! 367絢  :おー。 いやはや、キサキさんの話してる相手が愚弟だとわかってから今日まで、長かったな。 368和志 :色々と気を回して頂いたようで、何から何まで感謝に絶えない。 369絢  :おー? 何、構わんさ。 弟を揶揄うネタにしてただけだからね。 370和志 :そうか。 時に、その義弟の学力については? 将来に心配は? 371絢  :当然ない。 昔から何に対しても生真面目で面白みがなかったぐらいだ。       ちったぁ色恋に現を抜かして成績を落とすくらいの面白みがあってもいいと思う。 372和志 :成程それは安泰だ。 伴侶の職業を鑑みれば、その辺りも心配なさそうだな。 373絢  :心配がないとわかった所で。 374和志 :ぬ? 375絢  :私達の話はどうする? どちらの家から挨拶する? 376和志 :……えっ、本当に僕でいいのか!? 377絢  :ああ。 勿論、そちらに不満がなければな。       姉と兄、どうしたって弟妹(ていまい)は気に掛かる。       特に私達は歳の差故他所よりその節は大きいだろう。       その弟妹があんなに大きくなった。 このタイミングで私らが出会った、というのも面白くないか? 378和志 :ふむ、全面的に同意しよう。 僕は恥ずかしながら、つい最近まで結婚など眼中になかった。       このタイミングでこうして出会ったキミが面白がってくれるから、それはそれでアリだな!       この夏、第九十二回キサキ家家族旅行でサントメ・プリンシペへの旅行を計画している!       キミがキサキ家の一員となる気概があるなら歓迎する! ハネムーンの下見と洒落込もうじゃないか! 379絢  :なんだ、面白そうな家だな! それは弟も誘っていいのか! 380和志 :勿論歓迎する! ミヨコも喜ぶ事だろう! 381絢  :結局妹の話か。 382和志 :先に弟が、と言い出したのはキミだ。 <二人、笑い合いながら回転寿司へ向かう。> 2023.1.2 初版 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子 サイトへ戻る