最終更新:2024/5/1
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【密告インストラクション】 (みっこくいんすとらくしょん) 男性1、女性1。 反社会的描写を含みます。 有償版販売ページは
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。 【湯沢 楓馬(ゆざわふうま)】 24歳男性、高校教師。 産休中の教師に代わり、華世のクラスを受け持っている。教師二年目。 【桜庭 華世(さくらばかよ)】 17歳女性、高校生。 見た目は派手だが生真面目な生徒。補導直前で楓馬に助けられた事がある。 【配役表】 湯沢楓馬: 桜庭華世: ======================================= <校内教室。> 001楓馬:進路希望は、 002華世:ユザワ先生のお嫁さんでーす。 003楓馬:馬鹿お前!? バッ、あぶっ……!? 声デカい! <小声> 隣の教室も二者面談してんだよ! 隣タカノ先生なんだよ! 004華世:はーいすみませーん。 隣主任なんだぁ、バレたらヤバいね。 005楓馬:…… <溜息> 006華世:せーんせいにー言ってやろー。 007楓馬:<小声> ……あのさ、お前何怒ってんだよ。 008華世:別に。 009楓馬:怒ってんじゃん。 010華世:怒ってないよ。 011楓馬:感じ悪。 言い方が怒ってんじゃん。 012華世:進路希望を先生に真向から否定されたので怒ってます。 013楓馬:お前さぁ……マジメな方。 014華世:K大。 015楓馬:<溜息、小声で> あのさぁお前、それでいいの。 お前が不貞腐れるのは勝手だけど、マジでK大行くつもりならお前の学費なんだからお前が出せよ。 016華世:……。 017楓馬:俺が気に入らねえのはいいよ、わかったよ。 お前の学費出すのはお前の親なの。 俺が気に入らねえからって不貞腐れる材料にすんな。 不貞腐れるならもっとマシな不貞腐れ方しろよ。 018華世:……ユウナが。 019楓馬:ワタリが、何。 020華世:なんでK大止めんの、って……。 021楓馬:<小声> こないだ俺が話した学費の話しとけ。 親に負担掛けたくねえつってよ。 お前別にワタリしか友達いねえ訳じゃねえだろ。 022華世:……。 023楓馬:で。 他にサクラバがK大行きたい理由は。 024華世:……。 025楓馬:…… <眼鏡を外す> 酷な事言うようだけどな、サクラバ。 大学に何しに行くんだよ。 026華世:保育士の免許、取りに。 027楓馬:お前さぁ、成績も十分だし、生徒会長だし。 もっと学校選べるじゃん。 大学ってどうしても、ワタリと一緒じゃなきゃ駄目か? 028華世:……ううん。 029楓馬:うん。 この間話した事、わかってくれてるみたいでよかったわ。 そんで、何が気に入らない? 030華世:や、その、別に……。 031楓馬:いいか、俺、担任だからさ。 今日の話、ちゃんとした書類にしないといけないんだ。 俺勝手に書き換えられないから。 希望進学先、何て書いたらいい? 032華世:……F大。 033楓馬:おう、わかった。 034華世:ごめん。 035楓馬:<手元の書類に書き込みながら> ん。 わかってくれてるみたいでよかったわ。 てか何でワタリはそんなK大勧めんの。 お前と一緒じゃなきゃイヤだって? まぁ保育士、取れるけどさ。 サクラバの家から遠いし私大だから掛かる金だってダンチだしさ。 036華世:多分彼氏がいるからだと思う。 037楓馬:K大? 038華世:そう。 039楓馬:じゃお前誘う必要なくね。 040華世:合コン要員にしたいんじゃない。 041楓馬:彼氏いんのに? 042華世:あの子そういう所、派手だから。 043楓馬:ははは、へえぇ。 見た目だけなら休みの日のお前も中々だけどな。 044華世:ってフウマが言うから止めたじゃん。 045楓馬:おん、えらいえらい。 マジで顔違うからさ、あれ原型ないよ。 046華世:多分それも面白くないんだと思う。 047楓馬:ん? 048華世:私が服とか化粧変えたの。 049楓馬:ワタリが? お前が服とか化粧変えたのが? 050華世:うん。 051楓馬:なーやっぱ何かあったろ。 話せっつったじゃん、匂わせなくていいから。 052華世:先生には話したくない。 053楓馬:<ペンを投げ出す> 先生休業、彼氏です、はいどーぞ。 054華世:隣主任でしょ。 055楓馬:デカい声出さなきゃバレねえよ。 カヨも騒ぐなよ。 はい。 056華世:……。 057楓馬:<小声> もうカヨとか呼んでんだけど。 お前もフウマって言ったし。 058華世:まあ……。 059楓馬:場所変えれば話せるならそれでもいいけど。 またホテル? 060華世:私が行きたがってるみたいじゃん。 061楓馬:防音しっかりしてそうな場所、って思っただけだけど? 062華世:……。 063楓馬:……いじめられてる? 064華世:そこまでじゃない。 065楓馬:って事はそれ未満なの。 まあ一応担任なんで、何となく勘付いてますけど。 066華世:……。 067楓馬:原因、あー……嫉妬されそうな心当たり、ないの。 ワタリの彼氏がお前を気に入ってるとか。 068華世:生徒会入った頃からかな、って。 069楓馬:阿呆くさ。 070華世:阿呆とか言わないでよ。 真面目に話してるんだから。 071楓馬:いやさ、俺、キノ先生からこのクラスの引継ぎもらった時さ。 みんながサクラバさんの生徒会選挙に協力したり、他の事もみんなで助け合えたり、 本当に仲の良いクラスなんです、って聞いてたから。 蓋開けたら、全然そんな事ねーじゃん。 阿呆臭いだろ。 072華世:……全くそんな事ない訳じゃ、ないよ。 073楓馬:ないか? そうか? 生徒会選挙じゃなくてクラスの人柱決め選挙じゃん、って。 ミッチー、あ、四組のヨシダ先生と話してさ。 わかる? ほら、科学の。 074華世:飲み行ってんの。 075楓馬:うん。 ミッチーとあとー、二年の、わかるかな、国語のタカちゃん。 076華世:ヒモト先生。 077楓馬:そう。 ミッチーは歳近いしうるせー事言わんし、タカちゃんは奢ってくれるから。 078華世:タカリじゃん。 しかも男ばっか。 079楓馬:当たり前だろ、俺以外嫁さんいるんだから。 080華世:マ? 嘘。 081楓馬:…… <椅子から立ち上がる> 一瞬待って。 082華世:何? あ、 083楓馬:タカノ先生! すみません、奥の相談室の鍵、借りていいですか。 すんません、ちょっと込み入って……あはは。 どうもありがとうございます。 <華世を振り返って> サクラバ、続き相談室でいいか。 084華世:<立ち上がる> ……はーい。 熱心ですねーだって。 ねえ猫被ってんの普通に怖いんだけど。 085楓馬:別に怖い事ねえだろ、オンとオフの切り替え。 086華世:こわぁ。 一年生こんなヤツにきゃあきゃあ言ってんの、可哀想なんだけど。 087楓馬:マジ? 俺? 088華世:そう。 089楓馬:えーマジで。 いついつ。 090華世:先週全校集会黒シャツで来た時。 091楓馬:一年生って可愛い子何組にいんの? 092華世:最低。 093楓馬:<笑う> みんなよく見てるよな、びびるわ。 <相談室のドアを開ける> お前奥の席な。 094華世:どこのホストが入って来たのかと思ったよ、アレ。 095楓馬:あーあれね、キャバからの、飲みからの、全校集会ハシゴ。 096華世:最低だよね、ほんと。 097楓馬:やべぇよ、ババセンにいつもと感じ違うわねーとか嫌味言われてさぁ。 どうにか誤魔化したけどしつこくてさぁ。 クソ焦ったわ。 098華世:酒バレなかったん。 099楓馬:そこは先生、ちゃんとしてますよって。 車でファブリーズぶっ掛けた。 100華世:てかさっきの、ヨシダ先生もヒモト先生も奥さんいるの。 101楓馬:いるいる。 内緒な? タカちゃんの嫁、ココの卒業生だよ。 102華世:マ? 103楓馬:まー。 待って見せるわ、超美人よ。 104華世:面談中なんだけど。 普通にスマホ出さないでよ。 105楓馬:堅いコト言わない。 ココ校舎の端だから誰も来ねえよ、ほら。 106華世:えっ嫁かわよ。 107楓馬:だろー。 タカちゃん酒弱いからさ、ベロンベロンになると嫁ちゃん迎えに来んの。 108華世:まあ、ヒモっちゃんもハンサムだしね。 109楓馬:俺とどっちがハンサム? 110華世:ヒモっちゃん。 111楓馬:だよなー。 ……そのヒモっちゃんがさ。 お前が二年の派手めな女子に色々押し付けられてんの見た、って。 112華世:……。 113楓馬:こないだ話してて。 声掛けるか迷ったけど、ふーくんのクラスの生徒会長さんだから、 一応、念の為、伝えとくねって。 教えてくれたんだよ。 114華世:チクったんだ。 115楓馬:チクったんじゃなくて、情報提供。 ん、で、さぁー本題。 この動画。 116華世:何? ……何、これ。 ユウナ? どこ、ここ……? 117楓馬:ワタリの売春証拠動画。 118華世:は!? 119楓馬:この後、あーほら。 今、見た? 120華世:見、たけど。 121楓馬:ホテル入る所まで撮れてんの。 すごくね? ホテルの名前もちゃんと撮ったし、証拠能力あると思うよ。 コレあげよっか、お前に。 122華世:いや、なんっ、なんで。 123楓馬:タカちゃんに話聞いて、たまたま、繁華街歩いてたら見掛けてさぁ。 丁度いいやって思って。 124華世:何に丁度いいの。 125楓馬:カヨいじめてる仕返しに。 126華世:てか止めなよ。 127楓馬:ヤだよ。 面倒事俺にくるじゃん。 キノ先生戻ったら何事もなくクラス担任返したいの、現状維持がしたいの、俺は。 128華世:たまたまって何。 129楓馬:たまたま、偶然だけど? 130華世:私補導されそうになった時も、偶然だよって言ってなかった? 131楓馬:だって偶然だし。 俺がさ、生徒の為に繁華街ウロウロする熱心な先生だと思う? 132華世:微塵も思わない。 133楓馬:だろ? 134華世:どうせキャバ帰りでしょ。 135楓馬:そう。 いいね、わかってんじゃん。 136華世:……。 137楓馬:いじめって、気付いたってさ。 教員、赤の他人の大人が子供にしてやれる事ってほんとに少ないんだよ。 別に俺達、他人を助けられる魔法の力を持ってる訳じゃないから。 138華世:いじめじゃない。 139楓馬:って本人に言われたら口出しもできないのよ、こっちは。 140華世:私のがいじめだって言うなら。 どこのクラスにもいじめ、あると思うんだけど。 141楓馬:だろうよ。 じゃあさ、お前は何をされたらいじめになるの。 142華世:殴られるとか、 143楓馬:傷害罪。 144華世:……物、隠されるとか。 145楓馬:窃盗罪。 物壊したら器物損壊罪。 146華世:……。 147楓馬:え、うっそ。 もう終わり? 何かもっと色々あんじゃん、陰口とか色々。 ……あ。 オーライ、もうされてんのね。 って事でこの動画ですよ。 148華世:プライバシーの侵害。 149楓馬:迷惑防止条例違反っつーんだよ、盗撮は。 まあホテル入っちゃってっからなぁー。 ワタリが、ていうかこのおっさんが、色々マズい訳。 勿論ワタリもな。 大学受験どころじゃなくなるだろうよ。 150華世:それどーすんの。 151楓馬:カヨが好きにしていいよ。 ばら撒くのはマズいから、ナシな。 152華世:消して。 153楓馬:何で。 154華世:何でって。 155楓馬:よかれと思って撮って来たんだけど。 156華世:良い事何もないと思うけど。 157楓馬:お前さー、学校の勉強はちゃんとできるんだから、こういうのも頭回せって。 コレ見せてもう私に関わるなって言うとかさ、色々あるじゃん、やり方。 158華世:わかった、ユウナから距離置くから。 159楓馬:もー一声。 160華世:……えっと、何? いじめの相談センター的な所に相談、とか……? 161楓馬:もうちょっと身近な所がいいかな。 162華世:担任に相談したら友達のウリ動画見せられたんだけど。 163楓馬:<笑う> そう聞くとヤバいな。 てか俺相談されてねーし。 164華世:でもしてやれる事少ないんでしょ。 熱心じゃないんでしょ。 165楓馬:流石に彼女には熱心になりますよ? 166華世:……ちゃんと、言ったら。 動画消してくれる? 167楓馬:いいよ。 168華世:<溜息> ……彼氏がいるって、黙ってたから。 なんか、ある事ない事言いふらされてちょっと肩身狭かっただけ。 169楓馬:は? なんだそれ。 具体的には? ある事ない事って。 170華世:……ウリやっててすごい年上の彼氏がいるから、うちらに言えないとか。 生徒会長立候補したのも学校にウリがバレて、内申点稼ぎたくて、とか。 みんなで選挙協力したのにー……みたいな。 171楓馬:彼氏がいるってのは、何でバレた? 172華世:バレたっていうか、カマかけられてキョドっちゃって。 見掛けたって言われてヤバいって思って、ほら。 フウマと決めてた仲の良い従兄弟だっての、言ったんだけど。 173楓馬:うん。 174華世:……キョドっちゃって。 嘘言ってるよね? って言われて。 そしたらあの、モールで見掛けた、って。 モールとか行ってないじゃんウチら。 これカマかけられたんだ、ってわかって。 うちらに言えない人と付き合ってるなら別れた方がいい、とか、色々言われて、 175楓馬:それさ、ワタリと、誰いたの。 いつもメシ一緒に食ってるグループ? 176華世:そう。 ユウナと、アサミと、 177楓馬:オッケーわかった。 女子えっぐ、四対一で囲まれたって事でしょ。 178華世:いや囲まれたっていうか、普通に、カラオケで。 179楓馬:普通にカラオケがトラウマになるよ、そんなん。 え? なに? ワタリってそれでもお前の事K大誘ってんの? 女怖すぎ。 180華世:多分、アサミはほんとにヤバい人と付き合ってるって誤解してて。 ガチでちゃんと止めようとしてるんだと思うけど。 181楓馬:まあ担任と付き合ってるってフツーにヤベエわな。 は? てか、ウリがなんたらってワタリの自分の話じゃん。 182華世:まぁ……話したから、消して。 私が見てる所で。 183楓馬:はいはい。 ……アサミって、サクマか。 184華世:うん、ほら、コレ。 ライン。 185楓馬:おー長文……うん、うん。 186華世:アサミはマジで心配してくれてるって、わかるから。 あんま強く言えなくて。 187楓馬:うん。 サクマには話していいわ。 188華世:えっ? 189楓馬:俺と付き合ってるって、サクマに話していいよ。 てかココ呼ぶ? 190華世:えっ、嫌だけど。 191楓馬:あそ。 じゃあ話しといて。 192華世:……え、えっ? 193楓馬:なぁに。 誰にも内緒の関係がよかった? 194華世:違くて。 え、なんで話していいの? 195楓馬:んー……。 お前サクマの兄ちゃん、知ってる? 196華世:いるのは、知ってる。 197楓馬:痴漢で逮捕されたのは。 198華世:えっ!? 199楓馬:<笑う> キノ先生から引継ぎもらってすぐかな。 アイツ、しばらく学校休んだろ。 風邪で。 200華世:う、うん。 その時? 201楓馬:その時。 はい、これサクマとのライン。 遡って見ていいよ。 202華世:……。 203楓馬:一応学校には来てたんだよ。 校長と教頭と俺と、親御さんで、話してて。 本人が学校辞めて働くって聞かなくてさ。 まあ気持ちはわかるんだけど。 学校としても、本人が何かって訳じゃないから。 引き留めてて。 204華世:……見た。 205楓馬:ん。 一応、その時に信頼は得てるつもりなんですよ、先生は。 俺からも話す、真剣だからって。 どう? ああ、勿論お前もいる場所で。 206華世:何だっけ、法律。 ダメなんじゃないの。 207楓馬:生徒と付き合う事自体が、地方公務員法違反。 後まあ、もっと、色々。 208華世:変な法律。 それって合意でも? 209楓馬:合意でも違法。 じゃないと、セクハラされた末に脅されたりだとかさぁ、そういうのも合法になっちゃうだろ。 210華世:そっか。 211楓馬:……ごめんな。 黙って別の子とラインしてて。 212華世:それは、いいんだけど……。 アサミのお兄ちゃんどうなったの。 213楓馬:不起訴だと。 なんかなー、相手の女もちょっと怪しいっつか、そんな。 214華世:冤罪、みたいな? 215楓馬:んん、俺も詳しくは聞かなかったんだけど。 216華世:全然知らなかった。 217楓馬:だろ? サクマ、超口固いよ。 長く友達付き合いするならああいう子がいいと、俺は思うよ。 218華世:……わかった。 話してみる。 219楓馬:あ。 カヨお前、自分が補導されかけたとか、その時ホテルに入ったとか。 そこまで馬鹿正直に話すなよ、痴漢がっつーのもあるし。 220華世:あーうん、わかる、何となく。 あの子ちょっと潔癖だよね。 ……すごい、真面目だから。 そういう悩みとかない子だと思ってた。 221楓馬:そんな訳ねーじゃん。 読んだ? さっきのライン。 222華世:うん、だから、びっくりした。 223楓馬:優秀ではあるんだけどな、サクマも、お前も。 まーだまだ。 十七歳の女の子ですよ。 224華世:……うん。 225楓馬:痴漢の話。 俺から聞いたって言うなよ、本人から聞け。 226華世:わかった。 227楓馬:まあ、話戻すけど。 いじめいじめ言ってるけど普通に犯罪なの。 放っといたらそれこそ、お前の言う持ち物壊されたり、暴力振るわれたり。 そういう話になりかねないんだわ。 どーすんの、それで怪我させられたら。 228華世:……。 229楓馬:……口止めしてまで、お前と付き合ってる身の上でする話じゃない、って。 そりゃあ、そうなんだけどさ。 俺と付き合ってる所為で変な誤解されて、 その誤解を憂さ晴らしの犯罪に使われてたんだよ、俺からすると。 230華世:うん。 231楓馬:当然俺は面白くないよ。 お前は悪い事してない、ってのは、わかってるよな? 232華世:……先生と付き合ってる、って、それ以外はしてない。 233楓馬:<苦笑する> うん、まあ、うん。 それは別に、バレたら俺が懲戒免職ってだけだから。 234華世:だけじゃないでしょ。 235楓馬:とりあえず言葉としては。 で、なにー? その。 理解者一人いれば、とりあえず大丈夫だろ。 ウリだとか、変な話されてるの。 後は、お前が色々押し付けられたり、同じ大学にって圧とか、そういうの。 自力で、ちゃんと撥ね退けて。 俺が助けてやれる事はやるから。 236華世:……わかった。 あの、色々ありがとう。 動画はやりすぎだけど。 237楓馬:やりすぎかぁ、わかった。 238華世:でも生徒会入った頃からっていうのも、別に、嘘じゃなくて。 みんなで何かやるのが好きだからって、前話したじゃん。 239楓馬:うん。 240華世:学校みたいな。 大きな組織の何かに携われるって、滅多にないと思ったから。 だから、やってみたくて。 生徒会長のスピーチとかも嫌じゃないし。 241楓馬:うん。 いや、うんとは言ってもよくわかんねー感覚だけど、俺には。 242華世:<笑う> ……ユウナ達もそう言ってて、最初、うちらと遊んでればいーじゃんって。 そっから色々語って、わかってくれたと思ってたんだけどな。 243楓馬:まあねえ。 結局は、違う人間だから。 自分と何か違う人間って、受け入れられなければ、嫌うじゃん。 それを表に出すか出さないかは人それぞれだけど。 244華世:うん、それは、わかる。 245楓馬:ちょっと説教臭くなるけど、 246華世:今日ずっと説教臭いけど。 247楓馬:茶々入れんな。 社会出ればそんなクズばっかだよ。 お前前向きでさ、志とかそういうの、ちゃんとあってさ。 俺だってお前が理解できねーよ、俺生徒会選挙の事クラスの人柱決めっつったべ。 248華世:言ったね。 249楓馬:あんまこういう言葉にするべきじゃないんだろうけど、普通はそうなんだって。 遊んで、楽して、他人の足引っ張って引きずり下ろす方がずっとコスパいいの。 250華世:……嫌味がエスカレートしただけだと思ってたから。 いじめだとは思ってなかった。 251楓馬:いじめって言葉がおかしいんだよな。 犯罪一歩手前、まあー……遠慮ナシで言えばぶっちゃけ犯罪なんだって、いじめって。 まあどうであれ、お前がしてはいけないってわかってる事を平然とできて、 お前が正しいと思う事を、悪意で貶める奴は沢山いるんだよ。 ソイツらに気持ちで負けないようにな。 できなきゃ頼ればいいから。 252華世:わかった。 253楓馬:よし。 はい、二者面談終わり終わり。 254華世:えぇ。 255楓馬:何だよ不満かよ。 いじめ解消したんだからものすげえ功績だろ、今日の俺。 やっぱね、産休明けのキノちゃん戻った時にクラスの空気悪かったら、申し訳ないし。 256華世:キノちゃん、卒業までに戻るんだっけ。 257楓馬:戻るよ。 戻ったら俺また副担。 キノちゃんぽやぽやしてるからなー。 キノちゃんいないうちにどーにか、しておきたかったのよ。 258華世:そっか。 259楓馬:あ、一番大事なの忘れてた。 <立ち上がる> 260華世:何、 <楓馬に頭を撫でられる> ……何、髪、崩れるんだけど。 261楓馬:カヨはなー。 見た目派手なんだけどいい子なんだよなー。 よしよーし。 262華世:ねえ、髪崩れるんだけど。 地方公務員法。 263楓馬:今だけ、今だけ。 カヨのさ。 補導一歩手前、みたいな間違い。 みんな何かどうかしてるんだよ。 あの時さぁ、俺、お前が補導される前にお前の事見つけられて、よかった。 264華世:……。 265楓馬:そんだけで、俺は教師になった甲斐あったなって、思うわ。 266華世:……うん。 267楓馬:そこであの、ちょーっとお願いがあるんですけどね。 268華世:キャバ? 269楓馬:クラブ。 サークルの先輩からのお呼び出し、すまん! 今日夜行ってきます! 270華世:……いいよ、別に……。 271楓馬:マジ最高お前! めっちゃ良い子! 今度奢る! 272華世:嘘くさ……そんなおべっか使わなくていいって。 273楓馬:なんで、良い子なのはほんとじゃん。 俺キャバ行っても怒らねーし。 教師らしくしろとか言わねーし。 274華世:怒ったらやめる? 275楓馬:めんどくせって思う。 276華世:でしょ。 ……私まだ、お酒付き合えないし。 だったら、プロのお姉さん達に相手してもらってた方が安心だし。 277楓馬:……えーなに、可愛いー。 二十歳になったら一緒に飲もうなー? 278華世:それまで付き合ってるかわかんないじゃん。 279楓馬:え。 付き合わねえの? 280華世:……。 281楓馬:だろ? ちゃんとしてんだよなあ、お前。 嫌味言われてる相手にまでちゃんと、友達思いだしさー。 俺お前と初めてホテル入った時さあ、煙草取り上げられたアレ。 絶対忘れないと思うんだよね。 可愛い、可愛い。 282華世:……フウマ、さあ。 283楓馬:何? 284華世:私に黙ってる事、ないよね? 285楓馬:え? ないけど? 286華世:そっか。 287楓馬:なに? 何か不安にさせた? 288華世:間違い、みんなしてるとか。 今日の動画とか、なんか、……。 289楓馬:ああ、わかった、わかった。 ごめん、やりすぎたよ。 ……強いて言えばなんだけどさ。 一応、やる事やってる訳で。 地方公務員法と、児童生徒性暴力防止法引っかかってるから、もう既に。 間違い更新中。 290華世:うん。 291楓馬:だから隣の教室に他の先生いる時に騷ぐのは、もうナシな。 292華世:ごめん。 293楓馬:ん。 まあ、お前が卒業したらなにも問題なくなるから。 294華世:卒業するまでは、問題しかないけどね。 295楓馬:まあ、教職員全体の信用失墜って言われちゃ、ぐうの音も出ないよ。 296華世:そりゃそうだよね。 297楓馬:<溜息> やーほんと、同じ環境なのにさ、タカちゃん手出さなかったのすごくない。 298華世:マジ? 嫁? 教え子だったんだ。 299楓馬:嫁、授業持ってたんだって。 マジで聖人だわ。 すご、絶対真似できない。 酔っ払うと永遠、如何(いか)に結婚が素晴らしいか語ってるよ、馬鹿面白れぇよ。 300華世:夢あんね。 301楓馬:でしょ。 見習って後一年、頑張りますよ。 302華世:見習うも何も、手遅れなんですけど。 303楓馬:それな。 このまま帰る? 304華世:うん。 305楓馬:真っ直ぐ帰りなさいよ、また連絡する。 サクマと話したのも、教えて。 306華世:わかった。 ……じゃあ、先生、さようなら。 307楓馬:おー、お疲れー。 308楓馬:──……<溜息> 俺、マジだってちゃんとわかってんのかなー…… 後一年、長いんだよなぁ……。 2015.3.15 初版 羽白深夜子 2017.6.14 更新 羽白深夜子 2019.11.10 更新 羽白深夜子 2021.7.21 更新 羽白深夜子 2022.9.19 更新 羽白深夜子 2023.1.15 更新 羽白深夜子 2023.1.25 更新 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子
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