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【Smile My Girl】 (スマイルマイガール) 男性1、女性1。 「笑って、可愛い子」。 仲が良い兄妹が駄弁るだけ。 有償版販売ページはこちら。 【美陽子(みよこ)】 女性。高校二年生。 お兄ちゃんの扱いをきちんと理解している可愛いブラコンの妹。 【和志(かずし)】 30歳、男性。農家。ハイパーファーマークリエイティングコンサルタント。 顔も頭も良いのに精神的に元気がよすぎる優しくも厳しいシスコンの兄。 【配役表】 美陽子: 和志 : ======================================= <リビング、昼寝をしている和志とスマホを弄る美陽子。> 001和志 :い、妹! 妹よおおおおおおおおおおお! 002美陽子:何ー? 003和志 :……なんだ、夢か。 004美陽子:え、急に落ち着かないで。 005和志 :ぬ? 006美陽子:何? どうしたの? 007和志 :ちょっと昼寝の夢見が悪くてな! 008美陽子:それはあの、私の膝で寝る理由にはならないよ? 009和志 :何故!? 010美陽子:何故も何も、えっ? 捕まりたい? 011和志 :誰に捕まる? あっ!       お兄ちゃんを逮捕しちゃーうぞっ、って事か? お兄ちゃん困っちゃうなあー! 012美陽子:私じゃなくて、警察という国家権力だよ。 013和志 :国家権力に捕まるのはお兄ちゃん、困っちゃう所の話じゃないなぁー! 014美陽子:えー、何? 何の夢見たの? 015和志 :異世界トラックしたと思って飛び起きたが、してなかった! 016美陽子:異世界トラック? 017和志 :最近の異世界転生小説のよくある導入の事だな。 トラックに轢かれたと思ったら異世界にいた! と! 018美陽子:そっかあー。 ごめんね私、悪役令嬢物しか読んでなくて。 019和志 :そうか、ミヨコの最近の流行りは悪役令嬢物か! 僕も読むぞ!       異世界トラックに夢を見出していた節はあるが、そちらも楽しみながらにしよう! 020美陽子:トラックに轢かれるなんて、普通に危ないからダメだよ。 021和志 :クゥッ……! 妹の倫理観が育っている痛感! 酒が美味い! 022美陽子:飲んでないでしょ。 023和志 :今から飲む! 024美陽子:夜に初詣行かないの? 025和志 :行く! 酒は飲まん! 026美陽子:奔放ー。 027和志 :奔放なお兄ちゃんは嫌いか!? 028美陽子:そうは言ってないよ。 029和志 :そうだなー! ミヨコはな! お兄ちゃんと結婚するんだもんなー! なー? 030美陽子:しないよ? 031和志 :しないの!? 032美陽子:えっ? 033和志 :えっ!? し、しない!? 結婚しないの!? 034美陽子:しないよ? 035和志 :……ホアッ!? 036美陽子:小さい頃言ってたヤツでしょ、それ。 037和志 :そ、そそそ、そうだが! でもミヨコは今も僕にとっては小さいミヨコのままで! 038美陽子:私もう十七歳だよ。 039和志 :僕は三十だが!? 040美陽子:そうだね。 041和志 :……ホアッ? 042美陽子:結婚する気だったの? 043和志 :うん……今の今まで……。 044美陽子:そっかぁー。 045和志 :数多の告白を断ってきた所か、お偉いさんからの見合いの打診も心に決めている人がいると断ったが……? 046美陽子:顔は良いからね。       彼女でもない女の人達が取り合いになって殴り合いの喧嘩でバトルロワイアルしてたもんね。 047和志 :ミヨコに寂しい思いをさせまいと、大手日系老舗企業からの就職の誘いをいくつも断った末に       農家のお兄さんになったのだが……? 048美陽子:頭も良いもんね。 人事の人達、何としても我が社にって殴り合いの喧嘩してたもんね。 オフレコで。 049和志 :うっかりネットビジネスで一財産できてしまい今や経済誌をも騒がす農家のお兄さんなのだが!? 050美陽子:ズレてるんだよなあ。 051和志 :そうか……ミヨコは、僕と結婚しないのか……。 052美陽子:しないね。 053和志 :ワンチャンないか!? 054美陽子:ないね。 055和志 :ツーチャンなら!? 056美陽子:ないモノはないの。 057和志 :ごめんなさい。 058美陽子:わかればよろしい。 059和志 :うむ! ……しかしそうなるとミヨコは、生涯独り身で過ごすのか? 060美陽子:いつかは結婚するんじゃない? 061和志 :誰とォ!? 062美陽子:わかんないけど。 063和志 :そうだな! まだ十七歳だもんな! 男女交際なんてミヨコにはまだ早い! 064美陽子:さっきまで結婚ツーチャン持ち込もうとしてたのに。 065和志 :いいかぁミヨコォ! 066美陽子:はぁーい。 067和志 :そういうお相手ができたらまず! 068美陽子:まず? 069和志 :靴と時計を見なさい! 070美陽子:収入が出るから、みたいな話? 071和志 :収入……? 072美陽子:違った? 073和志 :え、全然違う……。 074美陽子:じゃあなんで靴と時計なの? 075和志 :ミヨコは綺麗好きだから、細かい所まで几帳面な男がいいかと思って……。 076美陽子:そっか、わかったー。 077和志 :その次ィ! 078美陽子:はぁーい。 079和志 :食事をしているサマを見なさい! 080美陽子:えっ。 081和志 :お、なんだ? 082美陽子:え、いや、食事ってその、エッチの時の様子が出る、みたいな話……? 083和志 :ンマー破廉恥! 破廉恥ミヨコちゃん! メッ! 084美陽子:ええー。 085和志 :ミヨコは好き嫌いがないから! 好き嫌いするヤツと食事する時困っちゃうだろぉ!? 086美陽子:あ、うん、そだね。 087和志 :そもそも僕は女性経験がないので! エッチな事は何一つ指導できない! 088美陽子:私と結婚するつもりだったんだもんね。 なんかごめんね。 089和志 :そこで謝るというのはツーチャン 090美陽子:セクハラ。 091和志 :ごめんなさい。 092美陽子:わかればよろしい。 093和志 :うむ! ……しかしそうなると僕は別の女性との結婚を検討せねば。       至急婚活とやらを始めないと! ミヨコ! 僕はどんな女性を迎えたらいいと思う! 094美陽子:女性の好みのタイプは? 095和志 :ミヨコ! 096美陽子:近親相姦。 097和志 :ごめんなさい。 098美陽子:わかればよろしい。 099和志 :うむ! ……好みのタイプ……しばし考えてみたが何も思いつかん!       強いて言えば母のような人か! 100美陽子:え、マジ? 101和志 :マジだぞ! 102美陽子:うちの親、母親有責で離婚してんじゃん。 103和志 :こらミヨコ! 「母親」なんて呼ぶモノじゃない! 「お母さん」だ! 104美陽子:はぁーい。 お母さん有責で離婚してんじゃん。 105和志 :確かに離婚の有責配偶者は母だ。 しかし、僕をこの僕に育て上げてくれたのも、母だ! 106美陽子:深イィー。 107和志 :そもそも母が有責になったのは三年以上の生死不明期間があった所為だからな!       世間様に後ろめたい事は何一つなく! 両親は今も恐らくは二人きりでデート中! ラブラブだ! 108美陽子:一人でサントメ・プリンシペまで行って四年帰らなかったんだっけ。 109和志 :ああ! 一切の連絡がつかないまま四年! サントメ・プリンシペにいた所為だ! 110美陽子:いいなー私もオボ国立公園行ってみたいなー。 111和志 :よし! 第九十二回キサキ家家族旅行はサントメ・プリンシペへゴーだ! 112美陽子:やったぁー。 113和志 :第九十二回キサキ家家族旅行の行き先が決まった事はめでたいが……僕の好みのタイプか……。 114美陽子:まだ考えてるの? 115和志 :全く心当たりすらないんだ。 結婚となると、生涯の伴侶として女性を迎える訳だ。       これまでご両親に大切に育てられた伴侶を僕が不幸にするなど言語道断!       しかし僕は女性経験も無ければ婚活に悩み始めたのもつい数分前の婚活初心者! バブバブのバブだ!       某難関国立大学を卒業後ハイパーファーマークリエイティングコンサルタントとして今や       経済誌すら騒がすこの僕だが、女性一人を生涯幸せにするノウハウは一度も習った事がない!       ミヨコ。 そんな不甲斐ない兄は将来の伴侶を幸せにする事が果たしてできるだろうか!? 116美陽子:余裕。 117和志 :余裕かぁー! ミヨコが言うなら間違いないな! 118美陽子:ずっと思ってたんだけど、ハイパーファーマークリエイティングコンサルタントって何してるの? 119和志 :僕が作った野菜の販売と、農業の重要性を説く講演活動や新規就農者の斡旋や各種補助金の案内、       農地確保や資金調達についてのアドバイスを農協と協力して行っている。       最近は農機具や資材のメーカーと提携してレンタル業も始めたぞ! 120美陽子:敏腕ー。 121和志 :ハイパーファーマークリエイティングコンサルタントでは少々長いからな、農家のお兄さんでいい!       そんな敏腕な僕だが、恋愛となるとな……一度も履修した事がない所為か、些か不安が残る。 122美陽子:さっき言ってたの聞いてる感じ、大丈夫な気はするんだけどなぁ。 123和志 :そうか!? 124美陽子:うんー。 125和志 :……ミヨコ。 126美陽子:何ー? 127和志 :ミヨコはその……恋をした事があるのか……? 128美陽子:へ? 129和志 :ミヨコは、人をラヴした事はあるのか? 130美陽子:何故英語……。 131和志 :ミヨコは兄という贔屓目を差し引いても、顔が可愛い系で小柄な上やや発育が良い 132美陽子:セクハラ。 133和志 :ごめんなさい。 134美陽子:わかればよろしい。 135和志 :うむ! 胸がデカいから 136美陽子:セクハラ。 137和志 :何故だ!? 遠回しな表現からより直接的な表現に直しただけで! 138美陽子:より傷付いた。 139和志 :ごめんなさい。 140美陽子:わかればよろしい。 141和志 :うむ! そのぉ、ちょっと、な? 男性の目を引いてしまう所があるから。 142美陽子:配慮の鬼ィー。 143和志 :そんなミヨコなら恋愛の一つ二つ三つ、何かあるかと思った次第!       恥を忍んで頼み込もう、この不甲斐ない兄に指南してくれまいか! 144美陽子:えー……特に指南できる事なさそうなんだけど……。 145和志 :ハッ! 兄ヒラメキ! あの子、いや、彼は!? 146美陽子:彼? 誰? 147和志 :ミヨコが五歳の頃、ホワイトデーのお返しに家族総出でカップケーキを作って       家族総出で我が家に届けてくれたさくら組のタケちゃんくんだ! 148美陽子:へっ。 149和志 :あれはそう、母がサントメ・プリンシペに向かう前の年の事だったな。       春と呼ぶにはまだ早い麗らかな日差しの中、高らかに鳴る我が家のインターホン、       ドアを開ければ小さなカップケーキを両手に大事に携えたタケちゃんくん……       背後の塀に隠れるタケちゃんくんのご両親にお爺様お婆様、姉上様叔父様伯母様他……       フッ……昨日の事のように思い出せるぞ……。 150美陽子:べ、べべべ別にッ、ハセガワくんは、そんなんじゃないし……。 151和志 :……おやぁ? 152美陽子:違うよ!? べ、別に! 今年久々に同じクラスになれて嬉しいなぁって思ってたとか! 153和志 :ほう! 154美陽子:やっぱり高校生になったらミヨちゃんって呼んでくれなくなっちゃうんだなぁとか、 155和志 :うむ! 156美陽子:でも、同じ高校に入っただけじゃなくて同じクラスになれただけでも嬉しいなぁとか、 157和志 :ははあ! 158美陽子:私が胸バインバインでもそういうの気にしないでいてくれて嬉しいなあって、       胸見ないで話してくれる、ちゃんと話してる時目が合うの嬉しいなぁとか、 159和志 :タケちゃんくんやるぅー! 160美陽子:全然! これっぽちも思ってないよ! 161和志 :タケちゃんくんよ、この兄の耳は誤魔化せぬ! 愛だな! それは! 162美陽子:何故そこで愛ッ!? 163和志 :ミヨコ! お前は人付き合いにおいて事引っ込み思案かつ内弁慶な節がある!       恐らくタケちゃんくんはそんなお前の事をよくわかっているッ!       引っ込み思案なお前を案じ、会話の際はしっかり目を見るという       人としての基本を意識していると兄は憶測するッ! なんて誠意のある人間だ!       だから! そのバインバインの胸にも食いつかないッ! 164美陽子:セクハラ。 165和志 :ごめんなさい。 166美陽子:わかればよろしい。 167和志 :うむ! しかしミヨコ! してるな! 恋! 168美陽子:んー……。 恋なのかなぁ……。 169和志 :多分恐らくそれは恋だ! そうか、今また同じクラスになっていたのか! やったな! 170美陽子:んん、なんかぁー、 171和志 :ミヨコ。 発話において「なんかぁ」という切り出し方はあまり適切ではない。       昨今の若者言葉だという事はこの兄も重々承知してはいるが、社会に出る前に直すように。 172美陽子:はぁーい。 173和志 :それでッ? それでッ? どうなんだ、タケちゃんくんとは? 会話はできている様子だな。       しかしそれも未だクラスメイトという一線を越えない、といった所か。 174美陽子:うん、そう。 共通の話題とかないし、何話せばいいかわからないし……。 175和志 :ふむ……連絡先の交換は? していないのか? 176美陽子:してない。 クラスのグループラインに一緒に入ってるだけって感じ。 177和志 :という事は、成程……冬休み中である今現在も、連絡を取ろうと思えば取れる、と……。 178美陽子:え、連絡した方がよさそう? 179和志 :……いや。 高校二年生、お互い多感な時期であり、来年には大学受験も控えている。       互いに自身の将来について悩むだろう大切な時期だ。       色恋に現を抜かす、とまではいかずとも、今は互いに勉学や将来に目を向けるべきだろう。 180美陽子:そう、だよね……。 181和志 :しかしな、ミヨコ。 先程現を抜かす、という言葉を使いはしたが、       兄はミヨコが将来や現実から目をそらし、目先の楽しみばかりを優先してしまう、       そんな人間だとは微塵も思えない。 きっと、タケちゃんくんもそうなのだろう。       兄は、幼い頃あのカップケーキを持ってきてくれたタケちゃんくんしか知らない。       知らないが、先程のミヨコの話と、兄がよく知るミヨコが恋している人だ。       きっと信用に足る青年なのだろうと、そう思っている。 182美陽子:うん……。 183和志 :そんな二人だ、兄は事を急ぐ必要はないと思うぞ。       なるようになる。 これは無責任な言葉に聞こえるかもしれないがもうしばし聞いて欲しい。       ミヨコの勇気が出た時、学校行事、クラスメイトという間柄。       これから、きっと無数にタケちゃんくんと改めて親しくなる機会はあるだろう。       タイミング、というヤツだな。 それを逃さないよう、丁寧に過ごせたらいいのではないか? 184美陽子:……うん、そうだね。 185和志 :よし。 ミヨコはそうして笑っている時が一番可愛い。 常にその笑顔でいるんだぞ! 186美陽子:はぁーい。 187和志 :笑う門には福来たると言うからな!       そうしているうちに、バッタリ出くわしたりなんてラッキーハプニングがあるかもしれない! 188美陽子:私に男女交際は早いんじゃなかったの? 189和志 :既に恋をしているとなれば話は別だ! 兄はミヨコの幸せを一番に願っている! 190美陽子:そっか。 あ、もう四時になっちゃう。 夕食の買い物に行かなきゃ。 191和志 :何! ミヨコ、兄も一緒に行くぞ! 192美陽子:一人で行けるよ。 193和志 :危ないかもしれないだろう、兄が車を出すぞ! どこまで行くんだ! 194美陽子:いつもの、ドーナツ屋さんの前のスーパー。 195和志 :徒歩三分……うむぅ……車を出した方が面倒か……? 196美陽子:お兄ちゃんはゴロウの事、見ててあげて。 197和志 :お、そうだったな、兄はその為に実家に呼ばれていたな!       ミヨコとの話が楽しくてすっかりうっかりしていたが、ゴロウよ、しばらく見ない間に随分貫禄が出たな!       ポメラニアンだというのに! 198美陽子:もうすぐ赤ちゃん生まれるからねぇ。 ゴロウって名前、ピッタリになったね。 199和志 :そうだな! とても僕が雌雄(しゆう)を間違えてつけた名前だと思えない! ゴロゴロのゴロウだな! 200美陽子:ん? うん。 ん……? お兄ちゃんも夕食食べて帰るでしょ? 201和志 :ああ! 久しぶりにミヨコの手料理が食べたい! 202美陽子:わかったー、行ってくるねー。 203和志 :ああ! 暴漢に出会ったら法が許す範囲で半殺しにするんだぞ! 204美陽子:できないよー。 205和志 :……ゴロウよ聞いてくれ……! 僕、久しぶりにお兄ちゃんと呼ばれたぞ!       兄とは本当にいい物だ! 年頃の妹とどう付き合うか履修した甲斐があったな! なあ! ゴロウ! 206美陽子:……お兄ちゃんの婚活の話は、どうなったんだろうなぁ……。 2022.12.30 初版 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子 サイトへ戻る