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【付喪神の件 六話】 (つくもがみのくだん ろくわ) 男性2人:女性2人。 これまでのあらすじ:付喪神、現世に慣れてきた。 有償版販売ページはこちら。 【高野 里歌(たかの りか)】 16歳、高校一年生。流歌の双子の姉。 流歌より社交的だが学校の成績は悪い。ギャルっぽい見た目で厚化粧。 国を問わずお伽噺や古典文学が大好き。周囲には隠している。 流歌と同じ学校の文系のクラスで授業を受けており、将来の夢は翻訳家。 高校卒業後に留学をしたいと思っている。 ​ 【高野 流歌(たかの るか)】 16歳、高校一年生。里歌の双子の弟。 里歌より学校の成績が良いが内向的。休み時間も黙々と勉強している。 天体が好きで、将来は数学者を目指している。 里歌と同じ学校の理系のクラスで授業を受けており、将来の夢は数学者。 【空木(うつぎ)】 鏡の付喪神。女性型。 前の持ち主の所にいた際欠けた事で、人間の情を取り込み欠けた箇所を 補おうとした過去があり、人の心を読む事ができる。 現と空木は対の鏡として置かれていたものの、空木は人の情まで映してしまい 本来鏡に映らない筈の物が映り気味悪がられ、目利きの骨董品屋を転々としてきた。 【現(うつつ)】 鏡の付喪神。男性型。 空木の様な欠けはなく、人間の真似が上手い。とにかく器用。 空木が上記の通り人の情を映してしまう為、過去現の鏡だけを買いたがる客がいたが、 空木と離れる事を厭い空木を真似、こちらも本来鏡に映らない物を映してきた事で 結局空木と一緒に目利きの骨董品屋を転々としてきた。 【高野 聡(たかの さとし)】 三十代後半、パイロット。 里歌と流歌の父親。国際線パイロットで、自宅と空港の距離間の都合で 日本で双子と過ごすのは一月の間に数日程。普段は社宅で過ごしている。 里歌と流歌を溺愛しており、それ以上に奈々花にゾッコン。 ※現役の方が兼任してください。 【高野 奈々花(たかの ななか)】 三十代後半、元アイドルの専業主婦。 里歌と流歌の母親。聡との結婚、双子の懐妊を機にアイドルを引退。 今も双子と姉妹に間違われる。 聡の仕事の都合殆ど女手で双子を育てていたが、 双子が大きくなった今はできる限り聡と過ごして欲しいと双子に言われ、 聡の休みに合わせて社宅へ出向き、家を空ける事が多くなった。 ※空木役の方が兼任してください。 【配役表】 高野里歌  : 高野流歌  : 空木・奈々花: 現・聡   : ======================================= 001流歌 :──四人でショッピングモールに出掛けた数日後。       ウツツとウツギと出会って、一週間くらい経った頃かな。       二人共生活に慣れてきた様子で、ウツツはちょっと言葉が柔らかくなったし、       ウツギは雑誌や俺のパソコンを駆使して色々遊んでる。       次の休みにでも、すっかりしまい込んでたゲームを引っ張り出して、四人でやってみるかな。       なんて思ってたんだけど。 002里歌 :た、ただいま! ルカ! 003流歌 :んあ。 004里歌 :パパとママ、今から帰るって! 005流歌 :え。 006流歌 :──その前に、とんでもない台風が飛び込んできた。 007里歌 :はー。 ウツギとウツツの物、これで全部かなー……。 008流歌 :あ、二人の茶碗出しっぱなしだ。 009里歌 :あ! しまうね! 010空木 :おや、二人とも帰っていたのか。 011現  :おかえり。 そろそろ夕飯にしようと思って……二人は何をしてるんだ? 012流歌 :悪い、二人共。 父さんと母さんがちょっと来るんだと。 013空木 :おお。 014里歌 :すぐ帰ると思うから、パパとママがいる間だけ隠れててくれない?       ほら、二人の事、鏡の付喪神だよーって紹介する訳にもいかないし。 015現  :わかった。 そうか、ずうと見掛けないと思っていたが、別居しているんだな。 016流歌 :父さんだけ別居してんだ。 国際線のパイロットやってる。       あ、えーっと……飛行機、テレビで見た事あるだろ? 017現  :あの鉄の鳥か! へえぇ、父君はすごいな! あんな大きな物を動かせるんだ! 018里歌 :まだ若すぎて副操縦士? なんだけどね。 ここから職場の空港まで、大体二時間くらい掛かるのかな。       通勤が大変だし、疲れで仕事に支障が出たら大事だから、社宅に住んでるの。       たまにしか帰って来ないんだ。 019空木 :社宅……ああ、アレか。 まんしょん。 020里歌 :そうそう。 021現  :母君は? 022流歌 :母さんは時間がある時は、父さんの社宅に行ってるよ。       最近父さん忙しいみたいだから、あんまり帰ってこないんだ。 023空木 :二人を置いて、か? 024流歌 :俺達が、時間がある時は父さんの様子見に行けばって言ったんだよ。 025里歌 :そうそう。 高校生にもなれば、身の回りの事は大体できるしね。       パパの休みとか、ママの時間がある時に合わせて。 026流歌 :正直、いない方が気が楽なタイミングもあるしな。 027現  :そうかそうか。 二人共えらいなあ。 028空木 :話はわかった。 ご両親がいる間は鏡に戻るとするか。 029里歌 :ごめんね。 二人とも部屋には勝手に入らないから、部屋の中にいる分は大丈夫だからね。 030流歌 :……なあ、ちょいちょい思ってたんだけど。 031里歌 :ん? 032流歌 :父さんと母さんの事、パパ、ママ、なんて呼んでたっけ。 033里歌 :あれっ、呼んでた? 034流歌 :呼んでる。 035里歌 :あー……やだなぁ、端正しようと思ってたのに。 036流歌 :そういや昔は呼んでたっけな。 037里歌 :昔はルカも呼んでたでしょ。 まあ、今度そう呼んでたら教えて。 038流歌 :おー。 039里歌 :──結婚から約十六年。 パパは国際線のパイロット、ママは元アイドル。       お付き合いも結婚もそれなりに大変だったのは想像できるし、産んだのは双子。       何から何まで大変だった二人は、今も飽きれる程仲が良くて。 そして。 040聡  :ただいまー! リカちゃんルカくん、パパだぞー! 041奈々花:ただいまぁ。 家の事任せちゃってごめんねえ。 042流歌 :おかえりー。 043里歌 :おかえり。 コーヒー淹れるから、座って、座って。 044奈々花:わあ、お家綺麗ね。 リカちゃんいつもありがとう。 045里歌 :ううん。 お父さん、今日は夕飯は? 046聡  :今日は食べて行けないんだよ。 この間帰った時に忘れ物をしちゃって、今日はそれを取りに来たんだ。       あぁでも二人が学校から帰っててよかった! パパ、二人の顔が見れて嬉しいよ!       おっ! リカちゃんはナナカちゃんに似て美人だなあ! パパ、どきーっとしちゃったなあ! 047里歌 :あ、あははー……そうかなぁ……。 048奈々花:やーだぁルカくんだって! どんどん若い頃のサトシくんに似てきてると思わない!? 049聡  :そうだね! ルカくんの方がパパよりずっとイケメンだけどな! ははは! 050流歌 :あー、ははは……。 051里歌 :──ちょっとズレた方向に、ひたすらテンションが高いんだよね……。 052聡  :ルカくん! どうだいどうだい、高校生活は! 053流歌 :まあ普通だよ。 特に変わった事はないかな。 054聡  :その普通がいいんじゃないか!       男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よって言うだろ?       ほら! パパ刮目しちゃうぞー? 055流歌 :あー、うん、はは……。 056聡  :そうだ、英語の勉強はどうだい!? ルカくんのパパ、本場の英語喋れちゃうぞ!? 057流歌 :あ、一番困ってないから大丈夫。 058聡  :ターッそうかぁ! あ、と、はー……パパが教えられそうな勉強はあるかなー?       毎日頑張ってるルカくんにはもうパパ敵わないかな!? 059流歌 :勉強とか、いいから。 060聡  :勉強とかいいから! 勉強とかいいから!? おお、パパ感激! 061流歌 :ん、ん? 062聡  :いつも勉強に一生懸命なルカくんが勉強以外に目を向けるなんて!       そう、勉強なんて二の次でいいんだ! 大人になったんだなあ! うんうん! 063流歌 :んー……どうだろうね。 064聡  :ルカくんはもうちょーっとやんちゃでもいいんだぞ?       パパはほら、アイドル真っ盛りのナナカちゃんとできちゃった婚だったからな!       世間のバッシングもオヤジのゲンコツも凄かったんだぞ! ルカくんに見せてやりたかったな! 065流歌 :って知ってるから、俺は愼ましく過ごしたいんだけど、なあ……。 066聡  :そっかールカくんは周りをよく見てるなあ、ナナカちゃんに似て賢いなあ!       ハッ、周囲がよく見えてる……将来は、パパみたいなパイロットかな!? ははは! 067流歌 :んーうん、あはは……。 068奈々花:やーだぁリカちゃん、チークちょっと合ってなくないー? 069里歌 :そうかな? こう、ブラウン系が好きっていうか……。 070奈々花:えーリカちゃんはサトシくんに似てお肌白いからぁ、もっとピンク系ー?       あ、そうだ! ママのお友達のヤギサワって女優さんがCMしてるチーク知ってる? 071里歌 :あぁうん、でもあのブランドちょっと高くて、 072奈々花:リカちゃんが可愛くなってくれるならお金なんて気にしないでいいの!       そこの新作のピンクがね、リカちゃんとっても似合うだろうなぁってママ思って!       ママとおソロで買っちゃお? ね? 073里歌 :あーははは……わかったぁ……。 074奈々花:あとね、あとね。 先週ね、ほら! 新しいスパできたの知ってる!? 075里歌 :またスパぁ? この間も一緒に行ったじゃない。 076奈々花:この間のは別の所でしょ? 今度はね、ビュッフェが併設してるんだって!       ママ、またリカちゃんと一緒に行きたいなって思って、もうチケット取っちゃったの! じゃーん! 077里歌 :ま、まあ、行くけど……。 えっと、ママさっきから何探してるの? 078奈々花:んー? ママが持ってるチークでリカちゃんに合いそうな色無いかなーって……       あー、無いなぁ。 いっかぁ、ママとオソロで買っちゃおう、買っちゃおう! 079里歌 :あっ、いや、今は足りてて、っていうかママそう言ってこないだも高いファンデ一緒に買っ、 080奈々花:はい購入しました! また一緒に写真撮ろうね? 081里歌 :あ、あー……ありがと、ママ……。 <廊下。> 082流歌 :絡みづらい……。 083里歌 :やりにくい……。 084流歌 :なんであんなにテンションが高いんだ……。 085里歌 :なんであんなに過保護なんだろう……。 086現  :<部屋から顔を出し、小声> 話し声が聞こえると思えば。 087流歌 :着替えてくるってちょっと抜け出してきたんだ。 088里歌 :私も。 089現  :ウツギもこちらにいる、今話せるのか? 夕飯はどうする? 090里歌 :ルカ、ルカ。 ちょっと話そ。 作戦会議。 091流歌 :へっ。 部屋入っていい訳? 092里歌 :いいって。 どーぞ。 093流歌 :おー……。 <里歌の部屋。> 094流歌 :お邪魔しま、うわ、すげー本の量……。 095里歌 :あーもー、ちょっと疲れたぁ。 096現  :ん、どうした? 097空木 :……父親と母親か。 どれ、話してみろ。 098流歌 :あー……んと。 別に俺達、二人の事が嫌いとか、そういうんじゃないんだ。 099空木 :ああ。 100里歌 :パパとママ、 101流歌 :父さんと母さん。 102里歌 :あっ、お父さんとお母さん、大事にしてくれてるってそういうのもわかってるの、勿論。 103現  :うん。 二人は人の事をよく慮(おもんぱか)る。 その辺りは心配してない。 104里歌 :でもさぁ……ねえ? 105流歌 :うーん……こう、時々、ほんと時々、面倒になるんだよなぁ。 106空木 :反抗期か。 107現  :反抗期だね。 108流歌 :ま、まあ……簡単に言っちゃえばそうなんだろうけど。 109現  :二人ともなまじ優しいから邪険にもできず、といった具合か。 110里歌 :私なんて、いっつもお母さんに高い化粧品買ってもらっちゃって。       正直嬉しいよ? 嬉しいけどさぁ。 111空木 :それを話した事は? 112里歌 :ないよ。 なんか、無下にするみたいでイヤじゃん。       趣味合うし、嬉しいし、でもちょっとなぁ、って思っちゃう。 113現  :うん、うん。 これなら俺にもわかるかな。 114流歌 :何、なに? 115現  :気負いして心を削るくらいなら話した方がいい。 116里歌 :……かなぁ。 117現  :なにも母君の好意を断れ、とは言わないさ。       そうだな、母君に同じ物を返したいと話してみるのは? 118里歌 :えっ、私バイトもしてないし、同じ物なんて買えないよ! 119現  :何も物にこだわらなくてもいいんじゃないか? 120里歌 :うー……。 121空木 :皆妾(わらわ)のように心が見えはしないのだから。 上手くいかない事ばかりだろう。       人の身を得てすぐ、妾はウツツと言い合ったぞ。 違いを埋める為に言葉があるんだろう。 122流歌 :……まあ。 123空木 :テンションの違い、なぁ。 そうさな、お前は押しに弱いのだろう。 124流歌 :うん、まあ、そう。       それに父さんに限らないんだけど、人と話してると面倒になってきてさー……。 125里歌 :あぁ。 ルカ、そういう所ある。 話聞いてんだか聞いてないんだかわかんない時。 126空木 :邪険にしたい訳ではないんだ、そうして親交が持てないのはお前にも、相手にも損だ。       興味を持ってみろ。 興味を探してみろ。 できそうか? 127流歌 :……やってみる。 128空木 :ああ。 それにな、ルカ。 妾がここに来た時、母親の服の話をした事を覚えているか? 129流歌 :ああ、うん。 130現  :リカは俺に話してくれた事。 一張羅の話、覚えてる? 131里歌 :覚えてる。 132空木 :ああしてな。 人の思い出は、過ぎて、去って、初めて思い出になる。 133現  :ご両親はきっとまだ思い出の渦中。 ──二人の事はまだまだ子供だと、思ってるんじゃないかな。 <リビング。> 134流歌 :……あー。 その、父さん。 135聡  :ん? 136流歌 :テレビ、見てた? 137聡  :ああ、うん。 仕事の確認をしてたよ、どうしたのかな? 138流歌 :あ、えーっとー……し、仕事の確認って? 聞いていいヤツ? 139聡  :来月のシフトの確認だよ。 来月はロサンゼルスとシカゴだ、ほら。 <スマホを見せる> 140流歌 :この、スタンバイって何? 141聡  :イレギュラーに備えて空港に待機するんだ。 定時性確保の為の交代要員だよ。 142流歌 :出発遅れますってアレ? ……結構頻繁なんじゃないの? 143聡  :あちゃー、耳が痛い! それは機材繰りやメンテナンス、ヒューマンエラーでの遅れなんだよ。       お客様第一、万全の態勢で飛ばないといけないからね。 144流歌 :へー……。 145聡  :どうしたんだろう、ルカくんが仕事の事を聞いてくれるなんて、珍しいじゃないか! 146流歌 :……まあ、いつも父さんに一方的に話させてるし。       それに、父さんのシフト表なんて初めて見たな、って。 147聡  :<笑う> そういえば、見せた事なかったね。 148流歌 :こうして見ると、結構海外で泊まったり、打ち合わせの日があったり。       飛行機に乗ってない日があるんだ。 149聡  :そうだよ、体とチームワークが資本だからね。 もっと飛び回ってると思ってたかい? 150流歌 :うん。 大変なんだろうけど、無理してる感じじゃなさそうなのは、安心した。 151聡  :勿論。 無理が祟れば一大事になるからね。 152流歌 :海外で泊まってる日は? 何してんの? 153聡  :それはほら、ナナカちゃんやルカくん、リカちゃんへのお土産を選んだりしてるよ! 154流歌 :あ、そうだ。 毎回チョコかビーフジャーキーは勘弁してよ。 俺もリカも食傷気味。 155聡  :ええっ!? だってアレ、小さい頃は二人とも飛び上がって喜んでくれたじゃないか! 156流歌 :流石に十年以上続くとさ。 157聡  :……そっか、そうだったかぁ。 二人ももう大人だもんなぁ。 158流歌 :……うん。 159聡  :じゃあどういうお土産がいいんだろう、選んでよ。 父さん若い子の好みわかんないからさぁ。 160流歌 :父さんだってまだ、そんな歳じゃないだろ。 161聡  :いやいやいや! ルカくん、すっかりイケメンになっちゃったからなぁ!       きっとずっと僕よりセンスが良いぞ! 162流歌 :どーだろ、その辺は……。 <ダイニング。> 163里歌 :ママ、今忙しい? 164奈々花:んー? サトシくんの社宅に置くラック、選んでたの。 165里歌 :ちょっと話していい? 166奈々花:うん。 なぁに? 167里歌 :ほら、その。 いつもコスメ、色々揃えてもらっちゃってるから。 168奈々花:うん? リカちゃんが可愛くなる為なんだから、気にしなくていいのよ? 169里歌 :あーっと……。 あのね、それが嬉しいから、私。 170奈々花:うん。 171里歌 :何かお返しができればいいなぁって、思った、んだけど。 172奈々花:お返し? リカちゃんが? 173里歌 :う、うん。 何がいい? 174奈々花:やーだぁ。 ママがリカちゃんのコスメ買ってるのは、リカちゃんへのお礼なんだから。 175里歌 :お礼? そうなの? 176奈々花:リカちゃんとルカくんがお家の事やってくれてるから、サトシくんの社宅に行けてる。       ママのお買い物はそのお礼。       だからリカちゃんがお礼してくれたら、ママまたお礼しないといけなくなっちゃう。 177里歌 :お礼にしては、その、ちょっと高いんじゃないかなぁって……。 178奈々花:気にしなくていいの。 でも、んー……。       どうしても気になるなら、リカちゃんが大人になって、自分でお給料もらうようになったら。       ママにお花買ってきてくれるのは? どう? 179里歌 :花? 180奈々花:うん。 ママね、女の子が生まれたら、一緒にお洒落するのが夢だったの。       リカちゃんと一緒にお洒落するの、沢山叶って楽しいから。       次のママの夢はね、お花に囲まれて過ごす事だなあ。 181里歌 :本当にそんな事でいいの? 182奈々花:あら、簡単な事じゃないのよぉ? リカちゃんがママのおねだり、叶えてくれるなら。       リカちゃんが元気でお仕事して、毎月ちゃんとお給料を頂かないとダメなんだもん。 183里歌 :……そっか、わかった。 約束しよ、楽しみにしててね。 184奈々花:<笑う> 楽しみにしてる。       でもね。 リカちゃんが元気で自分の夢を叶える方が、ママにとってはうんと大事なんだからね。 185里歌 :うん……あ。 そうだ、それで思い出した。 お母さん、あのね。 186奈々花:どうしたの? 187里歌 :再来月に進路相談があるんだけど、その前にちゃんと話しておきたくて── <玄関先。> 188聡  :次に帰るのはー……来月になっちゃうかな。 じゃあね! 二人とも、元気で学校に行くんだよ!       次のお土産、楽しみにしてなよ! 189奈々花:ママまたしばらく、社宅の方にいるからね。 困った事があったら連絡してね。 190流歌 :わかった。 191里歌 :社宅まで、気を付けてね。 192流歌 :<溜息> ……上手くいった? 193里歌 :うん。 そっちは? 194流歌 :ま、ぼちぼちかな。 195里歌 :<笑う> 付喪神、すごいね。 196流歌 :人間見てきただけあるよなって、ちょっと思ったわ。 197里歌 :ね。 ああ、お腹すいちゃった。 二人呼んでご飯にしよ。 198流歌 :おー。 結構ガッツリ食いたいな、今日は何かなーっと。 <自家用車内。奈々花が運転している。> 199聡  :いやー。 二人とも元気そうでよかったよかった! また大きくなってたなぁ! 200奈々花:ねえサトシくん、気付いてた? 201聡  :お。 ナナカちゃんも気付いた? 202奈々花:勿論! 誰かいたわね? 203聡  :いたなぁ、二人の部屋に。 二人とももうそんな歳かぁ!       これからは帰る時、もっと早めに声掛けないとなあ! 204奈々花:いつ紹介してくれるのかしらって、私ずうっとソワソワしちゃった! 205聡  :まだお付き合いを始めたばかりなのかもしれないね! いきなり帰って悪い事しちゃったなあ。       そうかぁ、もうそんなに大きくなったんだなあ。       ……ずっとナナカちゃんに二人の事任せちゃって、ごめんね。 206奈々花:ううん。 それでも、二人が住みやすいようにってあの家を買ってくれたのもサトシくんで、       こうして、忙しい合間に会いに来てくれるじゃない。 207聡  :いやいやいや! 二人をあんなに大きくしてくれたのは、ナナカちゃんだよ。       僕が家を出る時、ずっと大泣きしてくれたのが昨日の事みたいに思い出せるのにな。 208奈々花:そうね。 それが今は、家の事はやっておくから、なんて言ってくれてね。 209聡  :リカちゃんはずーっと、大きくなったらパパのお嫁さんになるって言ってくれてたのになぁ……。 210奈々花:サトシくんのお嫁さんは、私がいるでしょ? 211聡  :ナナカちゃん以上のお嫁さんなんて僕にはいないよ! いないけどさぁ。 212奈々花:ルカくんだって、私がメソメソしてたらママ泣かないでーってぎゅってしてくれたのに。 213聡  :ルカくんもすっかりイケメンになったよなぁ。 彼女も彼氏もどんな人なんだろうなぁ。       フライト中に気になったらどうしよう。 会いたいって言えば、二人とも会わせてくれたかな? 214奈々花:ダメよぉ、そういうのは言い出すまで待ってあげないと。 215聡  :そうかい? ちぇっ。 216奈々花:あっという間に大人になっちゃうのは惜しいけど。 でも、そういう物でしょ? 217聡  :……それもそうだね。 あーあ、寂しいなぁ。       これからあの子達が大人になるにつれて、寂しくなる一方なんだろうなあ。 218奈々花:そうねえ。       <笑う> 小っちゃい頃はあんなに泣き虫で、ルカくんがいないと泣き止まなかったのに── 219流歌 :……いや、嬉しいけど! 三郎のラーメン再現は流石に予想外なんだよなぁ!? 220里歌 :わーすごー。 アレでしょ、マシマシ。 221空木 :うむ! 妾が全部マシマシで頼んだ! 222現  :この日の為にな! 俺は! チャーシューを仕込んでたんだ! さあ食べよう! 223流歌 :どこで覚えんのマジで……。 224里歌 :ほんとに、付喪神、すっごいね。 225奈々花:──リカちゃん、留学したいだなんて。 寂しくなるわねえ。 2016.12.28 完成 羽白深夜子 2021.1.16 修正 羽白深夜子 2022.2.13 修正 羽白深夜子 2024.5.1 更新 羽白深夜子
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