
◆兼役有配役表
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<けたたましい子供の鳴き声。>
001夕菜:──レニ、レニ! しっかりして!
002南央:レニちゃんママ! 今警察呼んで救急車も、
003夕菜:アンタ何平然としてんのよ! レニに何かあったらどうしてくれるの! 人殺し!
004佳乃:<夕菜を抑える> レニちゃんママ落ち着いて! 警察も救急車も来てくれるから!
005夕菜:人殺し! 殺してやる! レニに何かあったらアンタも旦那も子供もぶっ殺してやる!
006警察:警察です! どうしたんですか!?
007夕菜:<佳乃を振りほどき、南央の髪を掴む>
アンタよくもやってくれたわね!? 人殺し! 何してくれてんのよ! 殺してやる!
008警察:止めなさい! <夕菜を引きはがす>
009南央:あの、あのっ、うちの歩行器で赤ちゃんが……!
<警察署内、会議室。>
010礼良:失礼します。 シブヤ局長、夜行班室長ミカミとアサジ班員です。
011渋谷:おお……キミが、アサジフユさん。
012芙由:あ、えっと……そうです。
013渋谷:この度は愚息が本当に、本当に申し訳なかった! <席を立って土下座する>
014芙由:いやいやいや、そんな!
015礼良:局長。 顔を見て話してやって下さい。
016渋谷:お、おお、そうだな。
017芙由:あの、お席にも掛けて下さい。 ……局長もその、減給になったってお聞きしてます。
私はこれ以上何か、というのは望んでいませんので……。
018渋谷:そう言ってもらえるか。 ありがとう、本当に。
愚息は左遷させたが、私は立場上この署を離れる訳にはいかなくてな。
019礼良:だから、減給期間が終わっても給与を返還するんすか。
020芙由:へえっ!? きょ、局長?
021渋谷:……聞けば、警察学校時代からキミに嫌がらせをしていたそうじゃないか。
成績だけ見れば優秀な息子だったのかもしれない。 しかし人間として全くなっとらん。
息子の人間性を育てたのは他でもない、私達家族とその給金だ。 だから、
022芙由:確かに色々されましたし、その、嫌だったん、ですけど……。
でも、そこまでして頂かなくて大丈夫です! 本当に!
023渋谷:しかし私の気が
024芙由:局長とご家族のこれからの生活もおありでしょう、本当に大丈夫ですから!
025礼良:アサジ。 カウンセリング費用の支払いの申し出、断ったらしいな。
俺はそこが落としどころだと思うけど。
026芙由:それはだって、……小さい頃から通院してるので、頂けません。
027渋谷:差し出がましい申し出かもしれんが、警察学校へ入学した後の通院費なら? どうだい。
028芙由:……。
029渋谷:……キミに長年嫌な思いをさせた挙句、私の勝手で困らせてしまって本当に申し訳ない。
それでも私も人の親だ。 ましてや、息子と同年代のお嬢さん相手なんだ。
せめて何かさせて欲しい。 過去のキミに少しでも報われて欲しい。
警察学校入学から今月までの、カウンセリング費用を受け取ってもらえないかい。 どうだろう。
030芙由:……減給の期間が終わったら、ちゃんと正規の給与を受け取って頂けますか?
031渋谷:<苦笑する> わかった、約束するよ。
032芙由:じゃあ、えっと、はい……そうしましょう。 ありがとうございます。
033渋谷:いやいや。 小さい頃からカウンセリングに通っているというのは、アレかい。
聴力が関係してるのかな。
034芙由:はい。 やっぱり聞こえ過ぎちゃうと疲れてしまうみたいで。
035渋谷:……キミが息子の件、もういいと言ってくれるから。 やっとこの話ができる。
お祖父様に私は、本当にお世話になっていて。
息子の前で、ほんの軽口のつもりであの人の名前を出したのがよくなかった。
……覚えてないかもしれないが、小さい頃のキミにもお会いしてるんだ。
あの頃にはもう、カウンセリングに通っていたのかい?
036芙由:あ、幼稚園の頃からで……でも、局長のお話は祖父から聞いてます。
037渋谷:<苦笑する> お馬さんのシブヤ、だろ?
038芙由:あははは……。
039渋谷:伺う度に、キミが這って玄関まで出迎えてくれてね。
うちは一人息子だったから、あぁ娘もいいなと思ったモンだ。
あのアサジさんが警察官になるのをよく許してくれたね。 それも公安勤務なんて。
040芙由:あ、祖父はまだ生活安全課にいると思ってる筈で……その、申し訳ないんですけど、ご内密に。
041渋谷:<笑う> 黙ってるのか、それがいいね。
現場じゃ鬼のような人だと思っていたが、それこそキミを目に入れても痛くないって
042礼良:<咳払い> 局長。
043渋谷:おお、悪い悪い。 キミ達も忙しいよな。 あー……、ミカミくん。
044礼良:はい。
045渋谷:このような場を設けてくれて、本当にありがとう。
そういう訳で、恩人の孫娘にとんでもない事をしてしまって。 気に病んでいたんだ。
勿論彼女を、班員を拘束しての捜査妨害も。 こちらも本当に、申し訳ない。 <頭を下げる>
046礼良:いえいえ。 給与の返還をと小耳に挟んだので、出しゃばらせて頂きまして。
お二人が和やかにお話されているのを見て、俺も安心しました。
何分皆さんが仰る通りまだ若い部署ですし、室長の俺も未熟者なんで。
今後とも、更に、ご指導よろしくお願い致します。
047渋谷:……あーその、なんだ。 キミのトコー……夜行班と呼べばいいんだったか?
今デカいヤマは抱えているのかい。
048礼良:はい? まあ、緊急を要するものはありませんが。
049渋谷:こちらに。 何、悪い話じゃあないんだ。
ちょっと色々あってね、人手が足りなくて困ってて。 お手並み拝見、といかせて欲しい。
050礼良:……はあ。
<署内、廊下。>
051礼良:ったく。 ちょっとこちらにって言ってから何分拘束すんだよ。
052芙由:ごめんね、私も話し込んじゃって。
053礼良:お馬さんのシブヤ、ってのは?
054芙由:<笑う> シブヤ局長、若い頃結構ヤンチャしてたみたいだよ。 競馬が好きで。
055礼良:成程。
056芙由:おじいちゃん若い頃、刑事だったんだ。
シブヤ局長とか、当時若かった刑事さんをよく家に連れて来てたの。
あんまり変わってないなあ、気の良いおっちゃんって感じだったね。
057礼良:どうだか。 銃犯罪対策局、特に夜行班設立に一番反対してた人だぞ。
058芙由:そうなの?
059礼良:そ。 あわよくば貸し作れねえかなと思ってたんだよ。
060芙由:じゃあ刑事課への捜査協力って、もしかしてラッキー?
061礼良:なんじゃね? 夜行は刑事課の二番煎じとか言ってたジジイに、
手を貸してくれとまで言わせたんだ。 お前、焼き肉と寿司どっちがいい。
062芙由:いいの!? 両方!
063礼良:他の奴に黙っておけよ。
064芙由:やったーっ!
065礼良:会議中もこっち睨まれて面倒臭えなって思ってたからさ、個人的な礼。
思ってた以上の収穫だったわ。
066芙由:レイって何気腹黒いよね。
067礼良:じゃなきゃ特殊部隊の室長なんて務まる訳ねーだろ。
068芙由:それはそう。 じゃ、ちゃーんと手柄立てなきゃね!
069礼良:そうだな。 <溜息> 刑事課ねー……。
一番目の敵にされてるトコだし、ま、良い子でお手伝いして差し上げますか。
070芙由:そんなに?
071礼良:そりゃそうだろ。 一般事件を含めた捜査って、俺らあちらさんの仕事ぶん取ってる訳だし。
いざ対面で世話になる時は、嫌味の一つ二つ五十くらいは覚悟しておかねーと。
072芙由:あーね、成程ね。
<夜行班オフィス。>
073貴 :コバヤカワ、カゼハヤ、戻りましたーって、おお?
なんでこんな良いベビーウォーカーがあるの?
074静夏:あ、これベビーウォーカーっていうんすか。
075貴 :そうそう。 ま、端的に言えば歩行器ね。
076静夏:へー……。
077礼良:刑事課からの宿題なんだよ。
078貴 :げ。 また何か言われた?
079芙由:逆、一個ヤマ任せてもらってんの。
080貴 :ほぉ?
081礼良:お手並み拝見、だってさ。
082古都:わあ可愛い! 赤ちゃんが乗る玩具ですよね?
083礼良:触んなよ、今回の凶器だから。
084古都:ひえ、凶器ッ!?
085静夏:赤ちゃんがこれで遊んでて大怪我、らしいっす。
086貴 :え、赤ちゃん大丈夫なの。
087礼良:顔面から転んで嘔吐やらなんやら、他にも色々あって、今救急にいる。
とりあえずまあ、一通り共有するか。 資料送るわ。
088静夏:うぃーす。
089礼良:怪我をしたのが、サカイレニちゃん一歳。
この歩行器に乗って遊んで……まあ、さっき話した通り。
090古都:ん? 歩行器の持ち主、資料だとニイヤマさんって書いてありますよ?
091礼良:そ。 持ち主がニイヤマナオさん二十九歳、専業主婦。
二年前にこの辺りに引っ越して来て、去年長男のハルくんを出産。 旦那は不動産メーカー勤務。
ニイヤマさんの家で、子供が同い年のキダさん、サカイさんとそれぞれの子供を連れて
お茶してた。
092古都:あー、成程ぉ。
093礼良:出産日が近くて、プレ……? これ何?
094芙由:プレママセミナー、産前のお母さん教室。 そこで子供の出産日が近くて、仲良くなったんだって。
で、今日の十五時頃。 サカイさんの娘、レニちゃんがハルくんの歩行器を借りて
遊んでたら……って。
095礼良:こういうのって、一歳でもう遊べんの?
096静夏:てか他所の子供に貸すモンなんすか。
097貴 :子供に乗りたいって言われちゃあね。
対象年齢によるけど、大体は生後七、八ヵ月くらいには乗せられるのが多いよ。
<しゃがんで歩行器を眺める> つっても自力で歩けるようになると他の玩具に目が向いちゃ、
お? これペティットの上位モデルじゃん!? たっかいぞー。
でも成長に合わせて調節できて、手押し車にもなって……
あー、うちもこっちにすりゃよかったなー!
098静夏:高いんだ。 まあ、赤ちゃん乗せるんだもんな。
099古都:見ただけでわかるんです? 良いパパしてますねぇ。
100貴 :上の子の時に別メーカーの使っててさ、下の子の時コレ新しく買おうと思ってたんだけど。
お袋に無駄使いだって怒られて止めたんだよね。
ペティットのこのモデルって六ヵ月から使えて、歩き出しても手押し車にできて便利なんだよ。
やっぱいいなぁー!
101古都:へええ。 あの、手袋するんで持ってみていいですか?
102礼良:持ち上げるだけにしろよ。 キャスター部分には触らないように。
103古都:はーい。 わぁ思ってたより軽い!
スカー・エル? エーケーナナヨンくらいかなあ!
104静夏:エーケーに子供乗せないで下さい?
105芙由:銃バカなんだよなぁ。
106礼良:サイトで調べたら、変形させて二歳まで遊べるって。
107古都:こんな軽いのにすごいんですねぇ、もしかしてブランド品?
108貴 :まあ国内産で一番良いの買おう、って思ったら候補に挙がるかな。
109古都:へー!
110礼良:今メーカーと、持ち主のニイヤマさんに話を聞いてるトコ。
鑑識が手一杯らしくてそっちは順番待ち。
サカイさん、怪我した子供の母親が半狂乱で。 被害届を出す出さないで滅茶苦茶揉めてる。
111貴 :病院で?
112礼良:いや、署内で。
113貴 :は!? 病院行けよ。
114礼良:通報当時もすごかったらしい。 ニイヤマさんの髪ひっ掴んで、ぶっ殺してやるーって。
115古都:怒っちゃってたんですねぇ。
116芙由:まあ、自分の子が大怪我させられたら、そうなるかぁ。
117静夏:……ずっと思ってたんすけど。 事故じゃないんすか? なんで刑事課から?
118礼良:現状事件事故どちらも可能性アリ。
刑事課様はなんかでっけーヤマがあって、鑑識と一緒にすったもんだしてるんだと。
そこにこの、強烈ママの件が急にきちゃって。
119貴 :ああ、ようはテイのいいお使いって事ね。
<環が駆け込む。>
120環 :レイ。 ニイヤマさんから粗方証言が取れて、旦那さんもいらした。 ちょっと同席して。
121礼良:ん、何か進展アリ?
122環 :進展っつか……あれは何か黙ってる。
今すぐその歩行器鑑識に回して。 メーカーの方もそっちで待機してる。
123芙由:あ、じゃあ私とシズで持って行こうか。
124静夏:うーっす。
125環 :頼んだ。 タカ、現場にいたもう一人のお母さんも署に来てる。 話聞いといて。
126貴 :あいよ。 えーっと、キダさん、だっけ?
127環 :そう、通報者のキダヨシノさん。 できればサカイさんママの素行中心で。
128貴 :何?
129環 :何となくだけど。 ママ友の間でヒエラルキーがあるっぽい。
130貴 :了解。 コト、一緒に行こ。
131古都:はぁい。 素行? ヒエラルキー?
132貴 :和気藹々としたママ友会、じゃあなさそうだな。
133古都:あぁ……大人に、ママになっても、そういうのってあるんですねぇ。
134貴 :ママになったから、ってのもあるんじゃない?
普段は意思疎通が難しい赤ちゃんとずっと一緒なんだし、フラストレーションは溜まるでしょ。
135古都:確かに。
136環 :だよなー。 言っちゃ悪いけど、多分コレすげーくだらないオチだぞ。
137芙由:シズ? どうしたの、行こうよ。
138静夏:んー……や、施設じゃこういうの、見なかったから。 俺の親も使ってたのかなーって。
139芙由:あーね。 ご両親の写真って、どこかにないの?
140静夏:……わかんね。 早く行こー。
141芙由:ちょ、もー! アンタが足止めてたんでしょーが!
<取り調べ室。礼良と環、新山夫婦。>
142礼良:失礼します。 旦那様までお時間を頂いてしまって、申し訳ないです。
143芳樹:とんでもない。 すみません、仕事を抜け出すのに手間取ってしまって。
その、まさかうちの歩行器で他所の子が、なんて。
144環 :とりあえずお掛け下さい。 こちら、ここからお話をご一緒させて頂きます、ミカミです。
145礼良:室長のミカミです。 ニイヤマ、ナオさん。
先程こちらのセナにお話された事を、もう一度お伺いします。
146芳樹:あの。 事故、なんですよね?
147礼良:今は事件事故両方の可能性を見ています。
148芳樹:いやだって、あの歩行器は元々壊れてて。
149礼良:ん?
150芳樹:乗せたのはどっちだ? お義父さんに頂いた方? 俺が買った方だよな?
151南央:……。
152芳樹:なんで黙ってるんだよ、まさか壊れてた方に乗せたのか!?
153礼良:旦那さん。 壊れてた、というのは?
<取り調べ室。貴と古都、喜田。>
154佳乃:──私もサカイさんも、家は主人の両親が同居してるし、ニイヤマさんのお宅って新築だから。
遊びに行きたい、って、サカイさんが仰って。
155貴 :プレママ教室で知り合ったお友達ですよね。 こういうママ友会? よくされてるんです?
156佳乃:一週間に一回、くらいですかねえ。 私達みんな専業主婦だし、時間があれば。
157貴 :はいはいはい……今は? お子さん大丈夫です?
158佳乃:義理の母に預けてるので。
159貴 :ならよかった。 うちもねぇ、下が男の子で、五歳と二歳なんですよ。
160佳乃:あらぁそうなんですか! うちは上も男の子なんです。 今三歳で。
161貴 :いいですねえ、男の子の兄弟! イヤイヤ期抜けました?
162佳乃:やーっとね、何となく分別がついてきたんですよ。 上の子は女の子で?
163貴 :そうです。 上の子はそうでもなかったらしいんですけど、下が今真っ最中で。
ね、ここでらしい、とか言っちゃうのが情けないんですけど。
164佳乃:こういうお仕事だと難しいんでしょ? その分お休みの日はね、頑張らないと!
165貴 :そーなんですよー。 今回お話聞いて、あぁママ友会!
こういうのに行っておいでって言えればーって、ちょっと考えてて。
やっぱ、アレですか。 子供とばっかり顔突き合わせてると。
166佳乃:そうそうそう。 うちは主人の両親もいるから、ちょっとね。 お巡りさんの所は?
167貴 :うちは別居なんで、両親が来るとああやっと休める! って二人して。
168佳乃:あら、ご両親と仲良いんですねえ。
169貴 :やっぱり同居は色々ありますか。
170佳乃:ありますあります! うちはまだ、二世帯建てて放任してもらえてるからいいけど。
サカイさんの所は完全同居で。 色々聞きますよ。
171貴 :じゃあ遊びに行きたいって言ってたのはー……アレかな?
お家の検討とかされてたりしたんですかね? ま、息抜きって事もあるか。
172佳乃:どうだろう、羨ましがってはいたけど……。
サカイさんのお家。 旦那さんもだけど、ご両親がお金持ちだから。
173貴 :あぁー。 旦那さん外資系、ですっけ?
174佳乃:そうそうそう、外資系の偉い人みたいで。
サカイさん、旦那さんラブだから。 色々お話は聞いてるんですけどね。
<取り調べ室。礼良と環、新山夫婦。>
175芳樹:先々月、ハルの誕生日に、妻の両親が買ってくれた歩行器で。
そろそろ使ってみるかと思って取り出したら、キャスターの動きが悪くて。
176礼良:動きが悪いというのは、具体的に?
177芳樹:前の方のキャスターがいくつか、回転が悪くて。
そうだ、あの歩行器って手押し車に変形できるんですけど。
その所為だったのかな。 軽い割に前の方がちょっと重すぎて。
色々試してみたんですけどダメで……でも、両親からもらった物でしょう?
だから両親に黙って同じ物を買ったんです。 な?
178南央:……。
179礼良:ご両親はどちらで購入されたんですか?
180南央:……聞いてなくて。
181礼良:そうですか。 キャスター以外に、異変は?
182芳樹:いや特に。 接着剤か何かで、ちょっと部品の噛み合わせが悪かったくらいかな。
ヤスリで削ったら、その辺は何とかなりそうだったけど。
183礼良:そうでしたか、接着剤……。 奥様も買い替えは承知の上で。
184南央:はい。
185礼良:……話して頂く気に、なりましたか?
186南央:……え?
187礼良:俺なりに違和感がありまして。 今のお話で、なんとなく全貌は。
188南央:あの、どうして……、もしかして黙ってるのって、罪になったり?
189礼良:しませんよ。 黙秘権ってのがありまして。
あなたは嘘を吐いたんじゃなくて、黙ってたんですから。
190芳樹:なあ何の話? まさかお前が、壊れてた歩行器に乗せたんじゃないよな!?
191南央:違うの。 ……壊れた歩行器に、勝手にレニちゃんを乗せてたの。
<取り調べ室。貴と古都、喜田。>
192貴 :へー旦那さんラブ。 いいですねえ。
193佳乃:いいんですけどねえ、もう、アツアツで聞いてるこっちが恥ずかしいくらいで。
正直な話、それでちょっと遠巻きにされちゃってたり。
194貴 :遠巻き? どうして。
195佳乃:ちょっと行き過ぎちゃう事があって。 マウント? みたいな。
196貴 :<苦笑する> 成程。
外資系勤務で、偉い人なんですもんね。 確かに自慢の旦那さんでしょうね。
197佳乃:それだけならまだ、可愛いなーって見ていられるんですけど……。
<小声> 悪口みたいになっちゃってもいいです?
198貴 :何です? 聞きますよ?
199佳乃:ちょっとその、さっきはラブラブで、って濁したけど。
でもコレ調査ですもんね? お巡りさんが話しやすくて忘れ掛けてたけど。
200貴 :お、なら何よりです。 そうそう、俺からは色々突っ込んで聞けないんですよね。
誘導尋問になっちゃうとダメだから。 見て感じた事とか、素直に言ってもらえると。
201佳乃:……正直に言うとね。 サカイさん、ニイヤマさんにマウントがすごいの。
よく言えば張り合ってたとも、……いや、アレはマウントだわ。
周りのママ達、ドン引きしちゃって。
私は昔の職場でもああいう人って見掛けたし、二人目で周りのママより余裕も
あったんでしょうね。 一人目の時もああいう人いたなぁ、って思ってて。
標的にならないように気を付けてたくらいで、そういうの気にしませんけど。
ニイヤマさん、ナオちゃん。 大人しくて繊細な人だから、心配で。
202貴 :ほーマウントねえ……例えばどんな風に?
203佳乃:ナオちゃんの所、旦那さんがまだお若いのに課長さんでね。
サカイさんったら、お給料が気になるみたいで無理矢理聞き出そうとして。
課長でしょ、手取りは、明細見せてよ、なんて言ってて。
他にも、子供のおやつとかナオちゃんが着てる服を、安上がりって大声で言ったり。
204貴 :おお。 思ってたより強烈かも。
205佳乃:でしょ? 今日も何かあったら仲裁に入ろうかなって思ってたら、こんな事になっちゃって。
事故の後もあの剣幕なんだもの。 気持ちはわかるけどね、私本当に驚いちゃって!
206貴 :すごかったって聞いてますよ。
そうだ、改めて今日の事、ニイヤマさんのお宅に伺ったトコから聞いていいです?
<取り調べ室。礼良と環、新山夫婦。>
207礼良:家には、壊れてる物と旦那さんが買った新品と、全く同じ歩行器が二つあった。
そうですね?
208南央:はい。 両親に買ってもらった物と、
209礼良:ニイヤマさん。 俺はそれ以上聞けません。
210南央:え?
211礼良:先程黙秘権の話をしましたね。 黙っているのと、事実をすり替えるのは違う。
212芳樹:さっきから、妻が嘘を吐いてるって言うんですか。
213礼良:それにも何も言えません、言ってるようなモンですけど。 誘導尋問になりかねないから。
俺の考えが当たっているなら、ニイヤマさん、あなたに言って頂かないと。
214南央:…… <苦笑する> それはもう、確信してるじゃないですか。
215礼良:ええ。 誘導尋問になりかけているので、正直ちょっと困っています。
でも、証言にも証拠隠滅罪は適応されます。 お母さんに、罪を負わせる訳には。
216南央:……そう思いますよね、お母さんには……って。
217礼良:はい。
218南央:でも。 私の両親に話を聞いたり、色々調べたら。 すぐ、わかりますもんね。
219礼良:そうですね。
220南央:……今日、レニちゃんが乗った歩行器は。 サカイさんから、頂いた物です。
221芳樹:え、……えっ? お前、お義父さんにもらったって!
222南央:レニちゃんがちょっと使ったけど、嫌がっちゃったから譲る、
高い物だしまだ綺麗だから、ヨシキくんが遠慮するといけないから
親からもらったって言った方がいい、って。
サカイさんがそう言ってたの。 私もそうかな、って思っちゃって。
今度何かお返しするね、って話してたの。
223芳樹:えぇ……? あっちの、レンくんはそれ知ってるのか?
わざわざそんな口裏合わせて、壊れてる物を……。
224南央:……あの。 どうして、わかったんですか?
225礼良:あなたの両親からの贈り物、の筈でしょう。
旦那さんならまだしも、娘のあなたが購入先を聞いてないのは違和感がありました。
226南央:ああ……。 ごめんなさい、咄嗟で。
227礼良:いえ。 それに、旦那さんが両親から歩行器をもらったと話した時。
あなたがずっと気まずそうな顔をしてたから。 嘘を吐こうとしている感じではなかったし……。
何より。 一番最初、通報を受けて家へ伺った地域課の警官から聞いてます。
「転倒した赤ちゃんのお母さんが半狂乱で、殺してやると叫んでいた」。
「お母さんの髪を掴んで、よくもやってくれた、なんて事しやがる、と叫んでいた」。
228芳樹:髪を? ナオ、大丈夫なのか?
229南央:大丈夫。
230礼良:俺には、自分の子が事故った直後の母親の言葉だとは、とても思えなかったんですよね。
そこに壊れてたって新しいお話があって、あなたの様子を見ていれば、自ずと。
231南央:その、私が意図的に壊れてる方に乗せた、という風には……。
232礼良:現場にはもう一人キダさんがいらっしゃった。
あなたと彼女の証言が食い違えば、指紋なり、歩行器から服の繊維も採取できますね。
233南央:そう、ですよね……。
234礼良:歩行器は鑑識に回していて、キダさんの証言もあります。
もし、誰かを罰する必要があるなら。 罰するのはあなたじゃなくて、法律です。
俺達は真実を明かす為に、ここにいます。
235南央:……歩行器が壊れてた、って、主人に聞いた時は。
本当はお古だし、配送の時か運んでる時に壊れたんだろうって、思って。
でも。 今日レニちゃんがあんな事になって、サカイさんが……そう言ってたのを聞いて。
わざとだったんだ、って気付いて。 もうずっとパニックで、いつ言い出せばいいか……。
236礼良:そんなタイミングで色々聞いてしまって、申し訳ない。
歩行器の経緯についてはわかりました。
改めて、今日のお話を最初から聞かせて頂けますか?
<署内、一階廊下。>
237芙由:サカイさん、サカイユウナさんいらっしゃいませんかー!?
238静夏:もしかして帰った?
239芙由:シズこれ帰ってたらマズいよね、絶対まっずいよね……!?
240静夏:ワンチャンあるかもだし、フユち俺、正面入り口張っておきます!?
241芙由:待って、……今すげえデカい声聞こえた! こっち! 二階の東!
242静夏:真逆じゃん! 聞こえたマ!?
243芙由:いーから、ついて来て!
<署内、二階廊下。>
244蓮 :ユウ、レニの意識が戻ったって──おいお前どこ行くんだよ。
245夕菜:被害届! このまま出すの! 今調査中だからって言われてずっと待ってんだけど、
246蓮 :先にレニの事だろ、親父もお袋もどうしてお前がいないってカンカンなんだぞ。
247夕菜:だから何。 そんな事より被害届出してちゃんと捜査してもらって、
罰金でも慰謝料でも何でもレニの治療費を
248蓮 :そんなの俺も親も出せるから
249夕菜:親親親親って! レニの事考えてないの!?
250礼良:署内ではお静かに。 って、言いたいトコなんすけど。
まだいらっしゃったんですね、丁度良かった。
251環 :サカイユウナさん。 ニイヤマハルくんへの殺人未遂の件で、ご同行頂けますか。
252夕菜:……は?
253環 :もう少し詳しくお話をお聞きしたくて。
署内ではあるんですけども、任意同行、お願いできますか?
254蓮 :さ、殺人未遂……?
255礼良:今日レニちゃんが乗って大怪我をした歩行器。
あなたがナオさんへ、ニイヤマハルくんへの誕生日プレゼントに贈った、って。
256夕菜:……ちが、違う! 私そんなの知らない!
257礼良:<溜息> 歩行器の挙動がおかしい事に気付いたニイヤマさんの旦那が、
使用を取り止めて新しく同じ歩行器を買い、ハルくんはそちらを使っていた。
258環 :ユウナさん。 あなたはハルくんが、その歩行器で遊んでいる姿を見て。
リビングの隣の部屋に保管されていた、壊れた歩行器にレニちゃんを乗せたんじゃないですか?
259夕菜:でたらめ言わないでよ! なんで私がわざわざそんな事するのよ!?
260環 :あなたが何を思ってレニちゃんを歩行器に乗せたのかはわかりません、でも。
別室で調書を取っていたニイヤマさん、キダさんが全く同じ証言をしました。
あなたがレニちゃんを着替えさせる為に隣の部屋を使っていたら、
レニちゃんの泣き声が聞こえ、慌てて部屋を覗いたらレニちゃんが歩行器ごと、
──ハルくんが乗っている歩行器と、全く同じ歩行器と一緒に転倒していたと。
261芙由:メーカーの担当者と鑑識の見解も、人為的な改造がされていたと一致しています!
262静夏:キャスターと改造がされてるトコ、指紋がベタベタついてたって。
ハルくんのお父さんか、アンタか。 調べたらすぐ足が着きますよ。
263夕菜:……っ、な……。
264蓮 :……おい……なんだよ、ナオちゃんにお前、そんなモンプレゼントしたのか!?
レニの怪我はお前が
265夕菜:しょうがないじゃない! あの女が生意気なのよ!
旦那が課長だかなんだか知らないけど、私は同居で我慢してやってんのに
これ見よがしに新築の家建てて!
レニ、レニが中々体重が増えないのを、私はアンタの親に毎日ゴチャゴチャ言われてんのに!
レニよりもう五百グラムも大きいからって、得意になりやがって!
だからお古だって渡してあげたら、ヘラヘラ受け取って丁度いいと思ったのよ!
266蓮 :そんな理由で他所の子に怪我させようとしてたのか!?
267夕菜:あんな高い歩行器買い替える金があるんだから怪我くらいどうって事ないでしょ!
<蓮、夕菜の頬を張り飛ばす。>
268環 :旦那さん! <蓮の腕を掴む>
269夕菜:……そもそも、アンタが親親言ってなきゃ、私がこんな目にあってなかったのよ!
あんな女に見下される事なかったのよ!?
270蓮 :お前ちょっとおかしいぞ。 一旦警察の世話になってこい。
271夕菜:──っ!
<夕菜、駆け出す。>
272静夏:逃げんな! <駆け出す>
273環 :おい、シズカ!
<静夏、長椅子と壁を使い、夕菜の前に踊り出る。>
274夕菜:ひっ!?
275蓮 :え、……ええ!?
276礼良:旦那さん、気持ちはわかるけど落ち着いて。
277蓮 :だっ……あ、あの人、今飛んで……!?
278礼良:あ、そっちか。
279静夏:お母さんアンタ、救急搬送された子供ほったらかして、あんなに騒いどいて、逃げんの。
280夕菜:な……何、アンタに関係ないでしょ。
281静夏:そんなパッと動けるなら。 なんで子供が怪我するって時に、動かなかったんだよ。
282夕菜:えらそうな事言わないでよ! 子供を産んだ事もない癖に!
283静夏:アンタは家族守れただろ! そもそも誰も怪我なんかしないように過ごせただろ!
なんで助けてやらなかったんだよ! なんで怪我なんかさせたんだよ!
手前の子供一人守れねえなら、家族なんて持つんじゃねえ!
284夕菜:このッ……! どきなさいよ! <ハンドバックを思い切り振り上げる>
<ハンドバックが静夏の頬に当たる。>
285静夏:レニちゃんは! アンタよりずっと痛い思いして!
母親に怪我をさせられたって! それを背負って生きてくんだぞ!
<環、夕菜の腕をとる。>
286環 :──二十時十八分。 公務執行妨害で現行犯逮捕します。 <手錠を掛ける>
287夕菜:は!? 何、なんで!?
288環 :警察官への暴行は、公務執行妨害罪とみなされます。
289夕菜:何よそれ! コイツが私の邪魔したんでしょ!?
290環 :あのさ。 これ以上暴れても喚いても、心象悪くなるだけだから。
291夕菜:は、
292環 :こんだけの数の警官が見てんだ。 もうアンタの思い通りには、ならない。
アンタは母親じゃなくて、立派な犯罪者だ。 わかったら大人しく来な。
<環、呆然としている夕菜を連れて行く。>
293芙由:シズ!
294静夏:いっ……てー! なんだあのバック!? 鉄でできてんの!?
295礼良:<溜息> お騒がせ、どころか。 申し訳ない、奥様を目の前で。
296蓮 :……いや。 やった事が、やった事なんで……。 お兄さん顔大丈夫ですか。
297静夏:あ、へーきっす、多分。
298芙由:冷やそ。 すみません、失礼しますね。
<芙由、静夏を連れて立ち去る。>
299礼良:レニちゃんの容態は。
300蓮 :あぁ……そうだ、意識が戻ったって聞いて、アイツを迎えに来てて……。
301礼良:そうですか。 これから色々、大変だとは思いますが。
302蓮 :……あの。 被害届って、出せますか。
303礼良:勿論。 傷害罪、保護責任者遺棄罪辺りになるかと。
早め早めがいいかと思いますが、レニちゃんが安定してからでも大丈夫なんで。
またご相談下さい。
304蓮 :はい。 どっちにしろ、離婚が先かなと……。
お騒がせしてしまって、本当に申し訳ありませんでした。
また日を改めて来ます。 じゃあ……。
305礼良:お父様も、その。 お大事に。
306蓮 :ありがとうございます、失礼します。
307礼良:<溜息> ……つっかれた……。
<数十分後。署内屋上。>
308環 :顔、大丈夫か。
309静夏:平気っすよ。 お疲れ様です。
310環 :おう。 唯一の取り柄が大丈夫なら何より。
311静夏:唯一って。 ひでえ。
312環 :……そうだな、唯一でもねえわ。 格好良かったぞ。
313静夏:うっす。
314環 :<笑いながら> なんでだろうなあ。 子供、折角いるってのに。
なんであんな事、できるんだろうな。
315静夏:それだけ日頃友達を妬んでた、って事じゃないっすか。
316環 :そうだよなー。
317静夏:……タマキさんは、大丈夫なんすか。
318環 :私ー?
319静夏:いや、ほら。 子供できないって、前に。
320環 :あー。 子宮頸(けい)がんで取っちまったからな。
321静夏:……。
322環 :お前は。 母ちゃんどころか父ちゃんまで、事故で亡くして。
やっぱ思う事はあるよな、ああいうの見ると。
323静夏:……俺は、別に。 大丈夫っすよ。
324環 :そか。 世の中馬鹿しかいねえな、ないものねだっても仕方ねぇのによ。
325静夏:そっすね。
326環 :厄払いでもするか。 飲み行かね?
327静夏:お、いっすね。 奢りっすか?
328環 :割り勘。
329静夏:ケチー。
330環 :馬鹿野郎、こっちだって傷心してんだ。 奢る程元気はねぇよ。
こんなトコで気取ってやがって。 さみぃんだよ、中入るぞ。
331静夏:傷心してんじゃないすか。
332環 :お前もだろ。
333静夏:そうっすよ。
334環 :ま、こればっかりは仕方ねえからな。
335静夏:ね。 世界、そんなに優しくねえわ。
<後日、夜行班オフィス。>
336礼良:──少し前に、ハルくんが歩行器で遊んでる動画を見せられて驚いて。
確かめる為に家に行ったら隣の部屋に、もう一台同じ歩行器があった。
確認しようと娘を乗せた、自分をハメる為にすり替えられたと思った、だって。
337古都:ええ、すり替え……? そんな事ある訳ないのに。
338貴 :ま、そんだけ妬んじゃってたって事でしょ。 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、じゃないけど。
339礼良:そんなトコ。 加害者サカイユウナは全面的に犯行を認めてる。
動機はまー……ニイヤマナオへの一方的な八つ当たり?
同居してた義理の両親から常日頃色々言われてたらしい。
340貴 :ママ友へのマウントで晴らしてたみたいだけどね。
特に、気が弱いニイヤマナオへのアタリは強かったらしい。
341古都:やっぱ改造されてたんですねぇ。 持った時軽いなぁ? って思ったんですよね。
ほんとはどのくらいなんだろ? ダイアナとか、ロングレンジのレミントンとか?
342芙由:わからんわからん。 メーカーの担当者さん、真っ青な顔してたもんね。
コレ改造されてますって言った時。
343静夏:ねー。
結局加害者の指紋もべったり、改造する時に使った工具も家から見つかってるんですよね?
344礼良:そ。 子供がちょっと怪我して痛い目見ればいい、その程度のつもりだったそうだ。
345環 :それで自分の娘が大怪我して、自分は逮捕された上に離婚って……なあー。
346静夏:そこはなるべくしてって感じじゃないすか。 で、レニちゃんは?
347礼良:右手の骨折のみ。 他は後遺症も何もなさそうだってさ。
まあ後から出てくるかもしんないから、もうしばらく経過は見るらしいけど。
348古都:よかったぁ! 顔に傷とか残っちゃったらね、もう、もう……!
349芙由:ちらっと見掛けたんだけど。 お父さん同士がすごい仲良いのな。
二人で廊下の長椅子に座って、どっちもおいおい泣いちゃっててさ。
350礼良:……それも、あの母親には毒だったんだろうな。
ま、早いトコ悪意がわかってよかったって、そう思うしか。
351古都:たーまきさん。
352環 :なんだ、おっぱい当たってんぞ。
353古都:うぇ。 <環から離れる> ……タマキさんはねー、私のお姉ちゃんだから。
私の子、一緒に可愛がってくれますよね?
354芙由:ちょいちょいちょーい。 うちが予約済なんだけどー?
なんだっけ、ペティット? アレの歩行器買ってもらう。
355貴 :三人目の時はうちもよろしくー。
356環 :……なんだよ、揃って変な気使いやがって。
タカ、お前んトコは誕生日もクリスマスもプレゼントやってんだろ。
357古都:わあ、私も私も! 今ね、ライフルの玩具って色々あってね、
358芙由:英才教育すんな! でもま、うちも遠慮なく盛大にしてくれていいですからね!
359環 :はいはいはい、一人につき、一年で三万までな。
360芙由:えそんなに!? 嘘、そこまで出してもらえると思わなかった!
361古都:結構精巧なライフルの玩具、色々あるんですよぉ。 見て見て!
362環 :コト、この玩具五万って書いてあんだよな。 数字読めるか?
……まあ考えといてやるよ。 好きなんだよな、子供。
363礼良:<苦笑する> シズカ。 お前も早く、家族持てるといいな。
364静夏:ええ? 俺はまだまだ先っすよ。
365礼良:そうか? お前は父親にも旦那にも、向いてると思うけど。
366静夏:……マジすか。 あざーす。
んでも自分でデカい口叩いちまったから、それが有言実行できるようになったら、ですかね!
367礼良:そっか。
368静夏:レイさんこそどうなんすか? 良いパパになれるんじゃないすか?
369礼良:俺? 俺はー……向いてねえな。
370静夏:えぇまたまたぁ。 そうなったら俺、滅茶苦茶祝いますからね!
371礼良:はいはい。 楽しみにしてるよ。
2025.2.3 初版 羽白深夜子
2025.3.12 更新 羽白深夜子
2025.5.4 更新 羽白深夜子
2025.5.7 更新 羽白深夜子
2025.5.10 更新 羽白深夜子
2025.5.17 更新 羽白深夜子
あくまで目安のご提示です。参加される方で調整してご利用下さい。
■男性役(男性三名の時)==========
三上礼良
小早川貴・渋谷孝雄・酒井蓮
大和静夏・新山芳樹・警官
※「渋谷孝雄」「酒井蓮」「新山芳樹」「警官」は登場シーンが被りません。
上記四名は台詞もそれほど多くない為、男性役者は三名での使用を推奨します。
(「三上礼良」「小早川貴」は比較的台詞数が多いので、調整自体は可能かなと思ってます)
■女性役(女性三名の時)==========
朝地芙由・喜田佳乃
瀬那環・新山南央
風早古都・酒井夕菜
※兼役の都合、夜行班員の女性役は取り調べ時の台詞がありません。
台詞数のばらつきが出るので、女性役者は三名での使用を推奨します。